2008年11月1日土曜日

大井川鐵道で寸又峡

 2008年11月1日、7時55分の電車で小田原に出た。8時4分の新幹線に乗り、車内で朝食を摂ろうとも思ったが、何も食べずに過ごしてしまった。
 9時前には静岡に着いた。県庁所在地なだけあり栄えているが、浜松の方が勝っている様に感じるのは、私が双方を良く知っていないからだろうか。iPhoneを頼りに駿府公園へと向かった。この町には、それ以外に用がないから。なかなか大きなお堀。見るからに敷地の広さを感じさせる。立派な東御門を潜り、いざ公園を堪能しようとしたら、そこは大道芸大会の会場となっていた。大道芸を否定するわけではないが、今日はそんな姿勢で来た訳ではない。綺麗な公園で、のんびりと歴史を感じたかったのだ。気分を害したので、県庁別館に向かってみたが、展望室の入場は土曜日なせいか10時から。天気が良かっただけに残念だ。駿府公園を一望できないのも残念だ。しかし、驚く程の高さではないので、あっさり諦めることが出来た。
  洒落た建物が見えたので足を向けてみると、そこは静岡市役所だった。特に用もないので写真だけ撮り、KFCに寄って朝食を摂った。私にとって静岡という町は、ついででしかない。

 10時23分の電車で金谷へと向かった。同じ東海道線なのに、ローカル色を強く感じるJR東海。真っ直ぐに伸びた線路、かなり密接な住居、これはこれで良いものだ。
 10時53分に金谷に着き、いよいよ本題に入る。

 大井川鐵道のSLに乗るには、基本的に前々日までの予約が必要だ。当日でも乗れるようだが、時期によっては・・・紅葉の時季は満席必死なので、公式サイトで予約を取っておくのが良いだろう。私にしても、前々から席の空き具合を確認していたのだが、気づけば11月2、3週が満席。さらに気づけば、1週目の日曜も往路は満席。恐ろしいものである。今さらではあるが、往復SLより片方は一般車両でも悪くなかったかもしれない。でも各駅か・・・。
 もう一つの心配事は、座席の形。想像するに4人掛けのBOX席だろう。知らない人に囲まれ、窓際に追いやられたら落ち着けない。かといって、通路側では景色が楽しめない。私が窓際のところへ、子供2人を連れた大人が来たら大変だ。子供2人は窓際を求めるだろうに、そうなると私は通路側へ行かねばならない。それがたとえ指定席でも。いろいろ恐れはしたものの、結果は一組のカップルとの相席だった。私が被害を被る相手ではなくて良かった。
 車内では様々なアナウンスが生で流れる。時にはハーモニカを演奏したりと、旅を飽きさせないのだが、男の一人旅には無用の物だ。脚を組めないのが辛く、寝たり起きたりしながら90分の時間を過ごした。
  12時半に千頭に着き、バスに乗り換えた。千頭駅前の公衆便所の外見は石造りで、原始的なイメージが魅力的だが、中身は現代的なので安心して欲しい。
 バスは大井川沿いを進み、山間へと入っていく。その大半が細い道で、所々に交通誘導員が居ては、対向車の通行を止めていた。一般車両の観光客にはたまらないだろう。
 バスからの景色は絶景である。足を止めたいところだが、バスではどうしようもない。かといって車を路肩に停めたら、非常に迷惑な道幅だ。

 寸又峡に着いたのは13時過ぎ。かなり山奥に来たのに、そこには人が住み、大勢の観光客がいた。宿も困らない程度にあるが、1年を通じて収益を出せるぐらいには稼げているのか疑問に思うほど山奥である。
  寸又峡で私に与えられた時間は1時間。大井川鐵道を堪能するなら、最低でも1泊2日の予定を組んでおく事をお薦めしたい。
 土産物なぞ一切目もくれず、早足で夢の吊り橋へと向かう。この橋の中央で、若い乙女は恋の成就を願うと言うが、観光客だらけの今日という日にそんな乙女がいる筈もなく、そもそも吊り橋の真ん中で立ち止まられては迷惑だ。
 観光客が多いせいか、夢の吊り橋は一方通行に規制されていた。こうなると必然と飛龍橋も回らねばならない。90分と言われるコースを60分以内に回る為、早足で歩き続け、さらには夢の吊り橋の先にある300段以上の階段も急いで登り、飛龍橋へ歩きながら息を整えた。バスの出発する時刻の5分前に着いたのは良いが、我ながら旅行会社に負けない詰め詰めの予定を組んだものである。
  結局のところ寸又峡はどうかと言うと、素晴らしい場所である。大井川の水は美しく、紅葉もそれなりに始まっていて、かなり色鮮やかで美しかった。
 寸又峡は素晴らしいし、大井川鐵道で千頭より先に行ってみたいし、何と言っても秘境駅と呼ばれる尾盛駅に惹かれる。是非とも1泊2日のツーリングで再び訪れたい場所だ。

 行きといい帰りといい、私の特等席は最前列左側の一人席。ここだけは空いているって事は、それだけ独りで来る人がいないって事か。まぁ行きも帰りも異なる方向の景色が楽しめたので文句はない。
 この道中で興味深いのは景色だけではなく、奥泉駅前の公衆便所だろう。千頭駅前といい、何故こんなに原始的なデザインなのか知らないが、それはそれで新しい。外から女子便所が丸見えだったが、とうぜん扉はあるのだろう。

 15時5分に千頭駅に着き、予約していた15時23分のSLに乗った。今度は4人掛けBOX席を独り占めである。景色を堪能し、SLの汽笛に耳を傾ける。行きの時もそうだったが、地元の方々はSLを見ると手を振ってくれる。これは何とも嬉しいものではないか。一人旅の私にはどうでも良かったが。
 90分間景色を眺めているだけでも飽きはしなかったが、空腹に負け、新金谷駅の手前で、早く帰りたい気持ちだけが残った。駅弁の車内販売は完全予約制なのか、多少の余裕があるのか知らないが、帰りのSLであったのは土産物の車内販売のみ。もうどうでも良い。

 金谷駅から東海道線に乗り、掛川で新幹線に乗り換えた。掛川の町を歩きたい気持ちもあったが、既に陽は沈んでいたので断念。まぁツーリングで掛川城には行ったから、それだけでこの町の魅力の80%は満たしているだろう。
 19時には自宅に到着。濃かったのか薄かったのか、良く分からぬ旅だった。次に行く時は一人でバイク、もしくは女性と車か電車で、泊まりがけで来たいものだ。

2008年10月12日日曜日

鴨川までの日帰り房総

 2008年10月12日、自ら4時にセットしたアラームに起こされたものの、この時期になると少し寒いので起きたくない。「今日は家でゴロゴロしていたい」と思いはしたが、そうすると三連休を何もしないで終えてしまう。気が進まぬまま支度をし、朝食を摂って、5時20分には家を発った。
  まだ薄暗い中、西湘バイパスから国道134号へと走り抜けた。当然ながら前を見ていると、朝日が私を出迎えてくれた。そうか、私は今、太陽に向かって走っているのだ。そう思うとテンションが上がってきた。
 国道134号から鶴岡八幡宮方面へ入り、朝比奈ICから横浜横須賀道路に乗って、そのまま首都高湾岸線へ。天気は快晴で気持ちが良いものの、海岸沿いなだけあって風が強く、高速道路から吹き落とされるのではないかとビビり、チキンな走りを見せていた。それだけに横浜ベイブリッジなど死ぬ思いである。周りの景色を楽しむ余裕など無い。風に負けて海に落ちないよう必死にバランスを維持するだけだ。
 湾岸線でこの調子なので、東京湾アクアラインなど死にに行くようなものである。「横浜まで来たし、もう帰るか」とも思ったが、勢いで進んでしまった。
 初めて走る東京湾アクアラインは、延々と続くトンネルだった。これなら恐いものなどない。しかし、このトンネルが終わったらどうしよう・・・。そんなチキンな私の不安とは裏腹に、トンネルは海ほたるまで続いていた。
  7時7分、海ほたるに到着。お腹が冷えたのか、自宅で排便したはずなのに、また排便したくなった。缶コーヒーを飲み、煙草を吸い、海ほたるからの景色を堪能した。こんな所まで道を作ってしまう人類とは、何とも凄いものである。

 7時45分に海ほたるを発った。木更津まで伸びる東京湾アクアブリッジに恐怖したが、風は心地よい程度で済んだ。君津ICで降り、県道92号をひた走る。なんとも長閑な風景だ。房総スカイラインは緑に囲まれ、三枚着ていても少し寒かった。早くも尿意を覚えて辛くなってきた頃、道の駅”ふれあいパークきみつ”に到着した。8時33分、放尿を済ませ一服をし、早々に出発。君津ICを降りてからというもの道路はかなりガラガラだっただけに、かなり良いペースで進み、9時3分、鴨川シーワールドに到着。
  開園が9時だというのに、既に多くの人が入場していた。ただでさえノンビリ見ないのに、こうも混んでいては余計見る気が無くなる。そんな私の脚を止めたのが亀であり、蟹であり、マンボウであった。外から見た感じでは、どうって事ない水族館の様な気がしたし、魅せ方も昨今の水族館に比べれば若干劣る。しかしそれを補ってくれる程のマンボウであり、そして巨大なベルーガである。
 9時半からベルーガの紹介、10時からイルカのショー、10時半からシャチのショーと、異なった場所で行われる。時間的には良いのだが、人の流れ的にはかなり厳しいものがある。ベルーガは数分程で退席し、イルカのショーまでの間に熱帯魚系とペリカンの散歩を堪能した。
 名古屋の巨大プールを見てしまうと、プールのサイズ的に他の水族館には期待できなくなってしまう。しかし、それを補うほど素晴らしかったイルカ達の演技。シャチも見事に慣らしているのには驚いた。シャチが人を背中に乗せるほど気を許すなんて、ブラックジャックでもいるのか?
 素晴らしいショーではあったが、とにかく混んでいた。ベルーガ、イルカと人はどんどん集約されていき、シャチのショーにもなると酷い混雑だったので、シャチがジャンプ以上の事をするとも思えず、10時50分には鴨川シーワールドを後にした。
 ちなみに、私が帰る事には入場券売り場に長い行列が出来ていた。まぁシャチが見れる所は少ない上に、あれだけのショーだ。人気があるのは頷ける。

 長狭街道を走っていると、やたらとサイクリスト達が目についた。ゼッケンは付けているものの、ユニフォームが統一されていないので、勝ち負けを競う程のものではないのだろう。それにしても凄い量だった。一つの集団が切れたと思いきや、次の、そのまた次の、と集団が続々と走っている。サイクリストがこんなにいる事実、そして、それだけの参加者がいるにも関わらず、狭い長狭街道を普通に車が走っている事。こちらとしても長狭街道を封じられては困るのだが、サイクリスト達にはかなり危険である。ドライバーからすれば、かなり邪魔である。私としては、日本人がツールの常連として出場する日を待ち望んでいるので、彼らを応援したい。ちなみに、それだけの人が参加していれば、一人はママチャリがいても良いのではと思ったが、残念ながら見当たらなかった。但し、サイクリストらしくない体型の参加者はおりましたが・・・。

 多々山肌が抜き出しになっている鋸山に魅力を感じたが、金谷漁港へ真っ直ぐ向かった。11時45分に到着したものの、丁度フェリーが出た時刻だったので、12時30分の便に乗る事になった。久里浜までなので距離は短い。しかし、バイクを積んでも込み込み1,640円とは、フェリーの印象からすると安い気がした。
  金谷から久里浜まで35分。今日のコースからすると、東京湾フェリーで往復した方が安くて早くて楽だったと思えるが、出来るだけ同じコースを走らない事に意義があるので、これは今後の参考として覚えておこう。
 フェリーからの景色を楽しむつもりでいたが、久里浜までの短い距離で違った風景を味わえる筈はなく、ヨダレを垂らして眠ってしまった。

 久里浜からの道のりは混んでいた。さすが湘南である。下品なバイクのマフラー音もしばしば聞こえた。さすが湘南である。
 13時58分に城ヶ島灯台付近に着いたが、そもそも私は何をしに来たのだろうか?「海鮮丼が食べたかった」という理由はあったが、思い返すと他には無い。むしろ鴨川や金谷で海の幸を食べても良かったのではないのだろうか?
 ともあれ城ヶ島灯台。観光客は多かった。暴走族もいた。いつ見ても恥ずかしい単車であり、私服もセンスが無い。
  何気に朝食から何も食べていないので、梶ノ亭で三食丼を食べた。イクラとマグロとウニが乗って1,600円(味噌汁など付)と贅沢ではあるが、前日に焼鳥屋で4,000円支払っている事を考えれば安いものである。味については触れずにおこう。ある程度美味しいと、私の舌ではそれ以上判別ができないからだ。不味いものを出されれば「不味い」と判別出来るのだが。
  お腹も膨れた事で、京急油壺マリンパークに向かった。本日二度目の水族館は、城ヶ島から遠くない。
 空に雲がかかってきたせいもあり、鴨川シーワールドと比べると少し寂しげな気がした。特に迫力のある生き物はなく、唯一楽しみにしていたイワトビペンギンの周りには人が群がっていたのでパス。15時30分からイルカとアシカのショーがあるとの事で、早々に席を取りに向かった。
 室内に設けられたプールには、様々な小道具が置かれていた。稚拙な演劇を見せられるようで、昭和の臭いがプンプンした。開始時刻が近づくにつれ観客が集まり、遂には満席。ストーリーを織り交ぜたショーは、全く期待していなかった事もあり、かなり楽しめた。本当にスタッフには申し訳ない。”稚拙”と書いた小道具類も実に活きており、素晴らしい完成度である。感想を挙げていたらキリがないので簡潔に纏めると、そこには歴史と努力を感じる、他の水族館では味わえない油壺だけの魅力が詰まっていた。小生、実に感服したが、人混みに飲まれるのが嫌なので、一足早く退出してイワトビペンギンを見て、16時5分には発ってしまった。
 問題なのはここからである。折角暗くなる前に帰ろうと早めに発ったのに、延々と続く渋滞に飲み込まれてしまった。道は狭いがなんとか追い越し続け、羅将ハンの如く答えるならば、「100台から先は覚えていない」ほど追い越していった。逗子市街に着いたのが1時間後。なんとか18時迄には帰宅したかったのだが、国道134号から外れてしまい絶望的。自分の位置を掴む事より、追い越す事を優先し、鎌倉駅付近でようやく自分の位置を取り戻した。かなりイライラしながら煙草を銜えた。何よりも追い越す事を優先したいので火は付けなかったが、これだけでも少し落ち着けるのは新しい発見だった。随所随所で道は空くものの、藤沢なり茅ヶ崎なり近づくと再び混み出す。17時56分、相模川を越える前に陽は完全に沈んでしまった。
何を急いでいるかと言うと、父が家に帰ってくる前に帰宅したかったのである。父が先に帰れば、スクーターと車を車庫から出した上で、バイクをしまう事になる。何度か父に電話をしたものの、応答は無かった。しかしそれも、この時刻では諦める他ない。花水川を渡ったところで休憩し、一か八か西湘バイパスを使って一気に国府津まで走り抜けた。

 18時45分、帰宅すると車は外に出ていた。電話は繋がらなくとも、想いは通じていたのかと感激したが、父は着信すら気づいておらず、単に私が今日中に帰ってくる事を知ったから車を出していただけだった。まぁ結果としては同じ事なので、これはこれで有り難い気遣いだ。

 本日の教訓は「湘南なんてクソ」だ。湘南ナンバーが言うのも何ですが・・・。

2008年10月4日土曜日

不老山ピストン

 2008年10月4日、朝6時過ぎに起床した。窓からは青空が見えているが、体がダルい。まだまだ寝たくてゴロゴロしていたが、この快晴で出かけないと後悔するのは間違いない。荷物をまとめシリアルを食べて、7時過ぎには家を出た。
  すっかり秋なだけに、朝のバイクはそれなりに寒い。これで目的地が丹沢湖なのだから、余計寒い。永歳橋を渡って左手の落合トンネルを抜け、世附へと向かう。走っている最中、ふと左手を見ると、朝陽を浴びた世附大橋と丹沢が美しい光景を描いていた。
 世附キャンプセンターの前にトイレ付きの駐車場があったので、8時、ここにバイクを停めて不老山を目指す事にした。

 ここから徒歩で先へと進むわけだが、やたらと路肩に車が停車していた。釣り客なのか工事現場の労働者なのか、「40台は並んでいた」と言っても大袈裟ではない。暫く歩くとゲートがあり、一般車両の進入が妨げられる。このゲートの手前にも小さな駐車場があったが、路肩がこの調子なのでバイクを停めるスペースも無かった。
 ゲートを越え、さらに世附川沿いに進む。上の山駐車場から20分程歩いたところで、とても吊橋らしい吊橋が待ち受ける。ある意味、これが不老山ハイキイングの目玉かもしれない。
  この吊橋には渡らず、そのまま道沿いに200m進むと”夕滝”という滝があるらしい。400m先に滝のある気配は感じられなかったが、折角なので行ってみた。そして、これがまた素晴らしかった。
 通常、滝と言えば眼前に水の落ちる凄まじさを感じさせるイメージがあるが、この夕滝は魅せ方が違った。世附側を挟んだ先にある為、間近では見られない。しかし間近で見る必要は無い。山の頂上から流れ落ちているのではないかと思う程、高い位置から水が段々と流れ落ちているのだ。山の中を流れ落ちる一筋の滝、丹沢湖を訪れた際は、是非とも見て頂きたいスポットだ。

 吊橋へと戻り、いよいよ渡る。木とワイヤーで作られた吊橋は、一人ずつ渡るよう促しているだけあって、よく揺れてとても頼りない。緊張しながらも渡り終えると木々に囲まれた。道標はあるものの、どう見てもその方向に道は無い。何処へ進んで良いのかまるで分からぬ状態だったが、とりあえず直進してみると、右手に道らしき道があった。私の判断は正しく、木々に囲まれながらジグザグした山道を延々と歩き始める事が出来た。
  まるで人気のないハイキング・コースだが、途中で2人組の登山客が休憩していたので追い越した。さらに休まず進んでいると、川のせせらぎが聞こえた。右手下方に沢を眺めながら、細い山道を登っていく。ようやく沢が同じ高さまできたら、沢を越え、再び木しかない世界へと突入していった。水場と言えば、この沢と合流する場所だけしかない。但し山道は比較的緩やかなので、水分を取らずとも休まず歩いていける程だ。
 林道へと出て9時11分、世附峠に到着。御殿場市が見えるものの、霞んでいるのが非常に残念だ。秋になったとはいえ、まだ空気の澄み具合が足りなかった。さらに、朱く染まり始めた葉を楽しみに来たのだが、山中ではまだ葉は青々としていた。
  世附峠で10分ほど休み、不老山を目指す。途中から傾斜が急になるが、そこさえ抜ければ頂上は遠くない。9時41分、小山方面への分岐に到着。山々が見えるものの、ちょうど富士山の前に雲があって拝めなかった。不老山山頂まで残り200m。ここであまり休んでも仕方ないので歩を進め、9時48分に不老山山頂に到着。
  不老山山頂にはベンチとテーブルがあるので、仲間と食事を摂るには良いかもしれない。しかし私は一人だ。展望はまるで拝めないので、煙草を吸って立ちションをして、計5分程で早くも下山を開始した。

 山頂から棚沢キャンプ場方面へ下りる事も出来るが、それではバイクを取りに行くのが大変なので、来た道を戻り始めた。登りの際に世附峠で気になった”樹下の二人”。よく分からないが眺望が良いらしく、7分程の距離との事なので行ってみる事にした。傾斜は緩やかな道のりで、ススキに囲まれ眺望が開けていた。先に見える丘の上には檀(マユミ)の木が一本立っており、そこが蘇峰台こと”樹下の二人”だ。檀の木の下にベンチ、なるほど” 樹下の二人”というわけだが、私は一人だ。蘇峰台からは駿河湾まで見えるらしいが、分かるのは空気が霞んでいる事だけ。とはいえ、本日のコースで最高の眺望である。
  世附峠へと戻り、ひたすら下って11時24分、山の上駐車場に到着した。

 国道246号から新安戸トンネルの手前で左手に入って大野山方面へ向かう。案内板に従って、ひたすら、とにかくひたすら大野山を登って行く。道中にボクシングジムがあったのには驚きだった。さらに驚かされたのは、かなり高い大野山頂上にある牧場付近に、集落があった事だ。

 大野山山頂の展望台までは、車で行こうと思えば行けるのかもしれない。私は”まきば館”の駐車場に停めてしまったので分からないが、舗装された道路が続いているように見えたので、歩くのが嫌いな人は車で行ってみると良い。
 展望台へと歩き出すと、本日見た中で最も素晴らしい眺望が拝めた。あの登下山した苦労が、一気に否定された気分だ。とはいえ私も、山頂にいた大野山のハイキング客達の努力を侮辱しているようなものだが。
 間近で牛を見られたので、とりあえず目的は果たせた。しかし、この霞んだ空気。これが何よりの問題である。まだ季節的のものなのか、それとも汚染的なものなのか、後者だとすれば真剣に考えるべきだ。
 この大野山乳牛育成牧場。眺望が素晴らしく、牛が間近で見られても、特に客に媚びる姿勢は見られない。まきば館には何も無さそうで、唯一あるのが飲み物の自販機一台。そのラインナップの大半が瓶の牛乳とコーヒー牛乳なのは唯一の救いだ。とうぜん牧場に来たからには純粋な牛乳を選ぶべきだろう。ラベルを見る限り山北産らしいが、住所からではこの牧場産なのか否か私では区別がつかない。自販機で売っているだけあり、味も普通だ。まぁ牧場で牛乳を飲んだ事に意義があるのだが・・・。私が牛乳を飲み終えた頃、一組のカップルが牛乳の味を尋ねて来た。この時の私の回答が「まぁ、普通ですね」だ。もう少し気の利いた台詞は言えなかったのか、私は!「普通ですけど、この状況なら牛乳を選ぶしかないですよね」とか「お連れさんの乳と味比べさせて下さい」とか。疲れてたせいもあるのだろうが、これは反省すべき点だ。

 山北の”ラーメン ガキ大将”でニンニクたっぷりのコテコテスペシャルを食べ、14時には帰宅。英会話やら散髪やら、時間に追われていたので、休む間もなく洗車を開始。先週程ではないものの、山を登った以上、やはり疲れているものだ。