2008年8月15日金曜日

夏の北海道ドライブ その3

 2008年8月12日、寒さのせいか、4時前に目が覚めてしまった。厚めのパーカーを持ってきて正解だった。外を見ると明るくなりつつあるが、雲がかかっている。後ろを見ると、山に雲がかかっていた。今日の天気は曇りか・・・。
 身支度を整え4時半には道の駅"知床・らうす"を発った。ナビに翻弄されながらも羅臼国後展望台に到着。海の向こうに薄らと国後島が見える。曇りだが見れて良かった。
 ひかりごけを見に行くと、落石注意のため立入禁止となっていた。ロープを越えて数メートルの距離なので行けない事もないのだが、そこは大人というか、あまり興味なかったというか、その場所全体の景観が良かったので満足できた。

 知床五湖方面へ向かいつつ、羅臼の間歇泉に立ち寄った。1時間に1回、数秒間、地面から蒸気が噴出すという。最初は気づかなかったが、10分ほど経つと湯気の量が増えてきたことに気づいた。気のせいかもしれないし、これからまだまだ時間がかかるのかもしれない。寝転がったり写真の撮る位置を決めたりして、さらに10分が過ぎた。さらに湯気の量が増しているが、まだまだだろう。iPhoneで遊んでいると、背後でポンっと音がした。
  急いで振り向くと、見事に蒸気が噴出していた。生で見たいし、写真にも撮りたいし。ある程度角度を決めたら、シャッターは適当である。15〜20秒ほどの出来事だったろうか。5時49分、私はこの光景を独り占めした。

 羅臼からウトロへ抜けるのに、峠を越えるとは思っていなかった。目の前にあるのは山なのだ、当然と言えば当然だが、今朝までその事を知らなかったのだ。ガソリンの残量を気にしながら峠を登る。これも予想できた事だが、待っていたのは霧だった。かなり視界が悪い。燃費が心配だ。そうこうしてたら、徐々に明るくなってきて、遂には雲を抜けた。そして、そこに待っていたのは雲海。だけならまだしも、雲海から突き出した山々が神秘的だ。知床峠に着いた頃には快晴で、雲海と山々を見て感激していた。
  「山を下ると再び雲に覆われてしまうのだろう」そう思っていたが、知床五湖方面は雲があれども晴天。ウトロ以降は雲一つ無い快晴が続き、むしろ暑かった。
 6時40分、知床五湖に到着。しかし18:30から翌7:30まで、駐車場への入り口は閉ざされている。そこらに自然の鹿がいるので眺めるも良し、朝早かったので車の中で横になるのも良し。早く動いてもスタンドが開かなければ、ガソリンが先に尽きてしまうかもしれない。私には悪くない時間だった。
  時刻になり入場開始。ヒグマ発生のため、見れるのは一湖と二湖だけだった。7月下旬に来た人から既に聞いて覚悟は出来ていた為、悔いは無かった。
 誰よりも先にヅカヅカと進んでいく私。熊除けの鈴を持っていなかったが、いざとなったらiPhoneから音楽を流せばよい、と甘い心の準備はしていた。残念というか幸いというか、熊には遭えなかったものの、鹿とはかなり近い距離で遭えた。あちらの領域なだけあって、全く動じていない。かといって触ろうとするのも軽率なので、目と目を合わせただけだった。

 ウトロでガソリンを満タンにし、8時43分、道の駅"うとろシリエトク"に到着。羅臼から知床にかけて散々鹿を見てきたので、今度は喰らう側に回り鹿肉バーガーを食べた。ミンチしてしまっては、どの肉も似たようなものだろう。朝食は食べたし、一服をして、歯を磨いて、9時半に出発した。
  通りがけに気づいた三段の滝に立ち寄り、それからオシンコシンの滝へ。滝と言うと一束の水が流れ落ちるイメージだが、オシンコシンの滝はドバドバと豪快に流れ落ちている。その迫力に開いた口が閉まらなかったが、その感動も同滝の駐車場で見かけたバスガイドさんの可愛さの前には吹き飛んでしまった。「このまま車を捨てて、斜里バスに乗り込みたい」そう思いはしたが、無理な話である。

 朱円環状土籬(どり)は、まるで人気が無かった。まず駐車場が無い。人気が無いから駐車場が無いのか、駐車場が無いから人が来ないのか、どちらにせよ草ボーボーのこの遺跡に、それ程の魅力は感じなかった。ストーンサークルというから、かなりのミステリー度を求めていたのに・・・。だがこれでは朱円という地に申し訳ないので、近くにある竪穴住居跡群を見に行くことにした。しかし、少しだけ引き返す羽目になるので、中止にした。

 網走刑務所まで30kmを切って間もなく、道の駅"はなやか小清水"が見えた。それほど疲れていなかったので通り過ぎたが、その後すぐに見えた広大な景色は、私の歩を止めることに成功した。
  濤沸湖である。駐車場から馬小屋が見えた。木の歩道を歩いて近づくと、そこは展望台兼馬小屋だった。係員らしき人はいない。初めての馬タッチ。改めて見ると、相当デカイ。かなり人懐っこかったが、その迫力に少し怖さも感じた。
  11時35分、網走刑務所に到着したが、一般用の駐車場が無かった。どうやら本物に来たらしい。私の目的はニポポ人形を買う事だったので、むしろ本物が正解だった。
 ここまで来たのだ、博物館網走監獄にも行っておくべきだろう。車なら遠くないが、歩くにはちと距離がある。道中、博物館網走監獄を目指す大荷物を持った御老人が歩いていたので、声を掛けて乗せてあげた。私がニポポ人形を買った際、ちょうどこの方が店員さんに博物館網走監獄の場所を尋ねていたのだ。これを知っていて知らん振りはどうかと思う。とはいえ、逆ヒッチハイク。しかも男性の御老体。私の趣味なわけないが、なんと色気のない旅だろう。
  博物館網走監獄。正直どうでも良い。とりあえず入場して一通り回ったが、若い女性観光客の生脚にばかり目が行く。写真を撮ろうとしたが、タイミング・角度、どちらを事前に確認しても、生脚しか狙っていないのがバレバレだ。このまま監獄行きも嫌なので、地団駄を踏んで立ち去った。

 道の駅"さろま"を越えて少しのところを左折すると、サロマ湖展望台へと行ける。しかし、その道は4kmの砂利道で車一台分の幅しかない。すれ違えるポイントも多くなく、対向車が来ないことを祈るだけだ。
  展望台からはサロマ湖が一望できる。こうして見るとサロマ湖は、履いているのか履いていないのか分からない下着の様である。かろうじてサロマがあるから湖であって、ほとんど海の一部と言っても良いのではないだろうか。
  2車線なのに4車線並の広さ、平凡な商店街、広い歩道に停められた車、この光景は中国だ!と思ったが何か足りない。二輪車道が無いからか。そんな街並みが遥か先まで続いている様に見えて綺麗だった。それに負けず劣らず、道の駅"かみゆうべつ温泉チューリップの湯"も綺麗だった。道の駅自体はそうでもないが、実物大の鉄道と駅など、全体像がとても素晴らしかった。
  カラスの行水が日常の私にしては珍しく温泉を堪能し、いちご牛乳を飲んでリラックス。14時34分から70分、こんなに私が日帰り温泉に居座る事はあり得ない。
 道の駅から出ると、外は涼しくなっていた。これまで快晴だった空に、雲がかかってきたのである。涼しくなるのは結構だが、また今日も私から星空を奪うのか。

 国道238号を60km/hで走る車、それを追い越さない車たち、タイミングを伺っては1台抜き、また1台抜き、と先頭車両を含め8台ほど抜かした。どいつもこいつも、この速度でよく我慢できるものだ。
 紋別市街に入ると、今度は平均時速50km/hが一般的に感じた。80km/hで走り続けている私には、かなりストレスを感じさせる。
 ナビに翻弄され、紋別公園の良く分からない所へ案内されるは、ようやく辿り着いたのは裏側の駐車場だわで、またストレスを感じた。

 丘の上にある紋別公園。16時半で人気がない。いるのは多数のカラスのみ。曇天の夕刻である事と、私の苛立ちが重なり、紋別の街には死の臭いしか感じなかった。ここはゴーストタウンである。もしくは、日没を境に何かが起きるのだろう。私が想像したのは伊藤潤二の世界である。こういう場合、地元の若くて可愛い娘に声を掛けられ、誘いに乗ったが最後、となったりするのだろう。それでも良いから、若くて可愛い女性に声を掛けてもらいたい。紋別なんて嫌いだ・・・。
 ちなみに、テトラポットの慰霊碑は、公園の頂上ではなく中腹にある。「オホーツクに消ゆ」のイメージをそのまま持ってこない様に気をつけて欲しい。
 電車の車両を使った簡易宿泊所がある道の駅"おこっぺ"。公園もあり、なかなか綺麗な場所である。既に店が閉まっている時刻だったので、その車両が見たくて立ち寄っただけだった。

 暗くなる前に少しでも距離を縮めようと、時速80km/hを極力維持する。何処かで夕食を買うか食うかしなければならないのだが、立ち寄って食べられる場所は期待できない。18時半、流石に疲れて道の駅"マリーンアイランド岡島"で休憩。一服した後ウンコしていたら、やはりウンコ狙いのお子様が入ってきた。唯一の洋式は私が占拠しており、和式の使い方が分からず嘆くお子様。早めに切り上げてあげたが、あの子は兄の指導を受けながら和式を使ったのか?それとも私の使用後の臭い空間に堪えたのか?相手が子供なだけに、素直に「臭い」と言われても傷つくだけなので、残り61kmの道のりを再び走り出した。

 道の駅"マリーンアイランド岡島"を出てすぐに、街の灯りが見えた。枝幸町である。これが食事を摂る最後のチャンスかもしれないと思い、市街地へと入る。北海道で良く見かけるコンビニ"セイコーマート"。イトーヨーカドーっぽいマークだが、これは良いのだろうか?ここでは通常のコンビニ弁当以外に、出来立てもある。朝食とサラダに加え、出来立てのカツ丼を購入。空腹だったので、すぐに食べた。コンビニを出たのが19時半。この一帯でかなり休んでしまったので、残り59kmを一気に走り抜けるとしよう。
 コンビニによるチャンスは、もう一度あった。クッチャロ湖付近の町、浜頓別町である。さらに書くと、道の駅"さるふつ公園"から車で2,3分ほど行った先にも、24時間営業のセイコーマートがある。

 20時半、遂に道の駅"さるふつ公園"に到着。さるふつ温泉に入れる時刻だが、今日はもう良い。真っ暗な道の駅と相反して、道路向こうの駐車場はかなり明るい。そこに座り込み、キーボードを叩いて旅の記録を書く。なんとも変な光景だろう。かなり長いこと外にいたのに蚊に刺されなかったが、北海道には蚊がいないのだろうか?道の駅側へと戻り、あえてトイレの近くに車を停め、歯を磨いて眠りに就いた。

 この日の走行距離は436km。累計で1,282kmである。

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