支度を済ませ7時17分に出発。富士山方面を見ると淀んだ雲に覆われていたが、昨日の予報では”晴れ”がメインだった筈だ。三国峠を越えると、そこには美しき富士山が待っていた。展望台周辺で眺める人は普段より多い。それだけ素敵な光景であり、とうぜん私も足を止めた。
時間に余裕があったのでマクドで朝食を摂った。呑気に便をしたりしていたら、意外とギリギリの時間になってしまった。
9時半、富岳風穴の駐車場に到着。反対車線のバス停で時刻表を見ると、どうにも私の乗ろうとしている時刻が無い。そろどころか、ネットで調べたよりもかなり本数が少ない。そんな時刻表を無視して、バスは予定通りにやってきた。風穴発のバスに乗るつもりが、既に乗客がいたので、このバスがどのバスなのかは分からないのだが、とにかく一本木に停まってくれたので問題はない。短い距離の割に380円とは、少し高いのではないか。
9時45分、バスを下車。国道139号から斜めに伸びた道を歩いていくと分岐にぶつかった。方角的には北へ行くべきなので右折したのだが、次の分岐で心に迷いが出来たので、地元の方に尋ねてみた。そもそもが最初の分岐で道路脇にあったゲートに入らなければならなかったらしい。ゲートに戻って見てみると、確かにその旨が記されてあった。
10時、ゲートを開けて出発。いきなり木の階段が出迎えるが、それは部分部分の事であり、全体的に登り易い傾斜である。その登り易さに乗せられて登っていたら、30分後には疲れていた。5分に満たない休憩の後、右手に鉄剣のお堂があった。
大嵐との分岐を越えて、五湖台と呼ばれる足和田山山頂に到着。10時45分、予想を遥かに下回る短さだった。
山頂には展望台があるものの、北側は木に邪魔されて眺望は望めない。南側の富士山は、残念ながら雲に覆われていた。まぁ富士山は三国峠で堪能したので良いだろう。
10時53分に出発し、三湖台を目指す。延々と続く傾斜の緩やかな下り坂。道も広くてかなり歩き易い。
舗装はされていないものの車道なのか、道が分かれては交わり、また分かれては交わり。一応北側の遊歩道と思われる道を進むものの、木々の間から西湖がチラチラ見える程度で、そこに湖があると知らなければ認識できないだろう。
遊歩道側には稀に登り階段があるものの、何か景色が見えるわけではない。ただ登って下るだけ。これなら車道側を歩いた方が利口なのだが、何かあるのではとついつい遊歩道を選んでしまい、やはり何も無かった。
登りを選ぶのは、三湖台へと向かう階段だけで充分だ。
ここまでの総評を言うと、かなり退屈な道のりである。子供連れには丁度良いかもしれないが、成人男性一人には退屈すぎた。
11時35分、三湖台へ出ると、景色が広がっていそうな雰囲気だった。残念ながら西湖を一望とまでは行かないものの、西側には青木ヶ原樹海が広大に広がっていた。富士山の見えぬ曇天なのに、本栖湖まで見える程だ。
これには流石に感激し、いろいろ写真を撮ろうとしていたが、どうにもベストなポイントを若い衆が陣取っている。他にも人がいるのだから、写真を撮ったら早々に立ち退いて欲しいものである。餓鬼共が。
11時47分に三湖台を発ち、少し歩いて11時55分、駐車場のある廃墟の様なレストハウスに着いた。紅葉台である。展望台に上がるには大人150円、子供100円の料金が必要だ。いろいろ置いてある店だが、おそらくこの展望台料金が全てを担っている感じがしたので、一応登ってみた。三湖台には及ばぬものの、晴れていれば悪くはない。紅葉台と三湖台、晴れた日に車で出直したい場所である。
紅葉台から先も退屈である。マナー違反ではあるが、歩き煙草をしてしまったほど退屈だった。楽な道のりも問題である。
12時27分、国道139号の下を潜り抜けた。既に上り方面が混んでいたのは見たくなかった。
青木ヶ原樹海内を歩いて12時34分、氷穴に到着。入城料は280円。多くの観光客と共に洞窟内に入ったのだが、そこにあったのは氷。積み重なったブロックアイス。氷っていられるほど寒いのが見所なのだろうが、一つの洞窟として見ると最低だ。これならそこらの鍾乳洞へ行った方が全然良い。
肩を落として風穴へと向かい、13時10分に到着。入洞してすぐに氷柱があるのと、奥に蚕があるぐらいで、やはり最低だった。氷穴と風穴を比べるなら、空いているぶん風穴のが良かった。名前に惹かれて氷穴だけ選んでしまう人が多いのだろう。
13時半に駐車場を出発。渋滞はすり抜けで回避するものの、河口湖町も山中湖方面となると回避できる幅が無い。しかし、バイクを運転しながらファインダーを覗かずに写真を撮っていたら、それほど渋滞は気にならなかった。
午前より雲のかかった富士五湖一帯。もはや三国峠からも富士山は望めなかった。本日得たものは、”三国峠はやはり素晴らしい”と”三湖台からの青木ヶ原樹海は最高だ”という事だ。いずれも車で済む話である。
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