自転車で小田原駅へ向かい、9時33分の箱根登山鉄道に乗り込んだ。さすが土曜日、そして紅葉シーズン。箱根湯本までだけでなく、強羅までも電車は満員だった。
強羅に着くと、今度はケーブルカー待ちの行列。とりあえず並んだもののSuicaが使えない事を知り、切符を買いに列を離れた。切符売り場には外国人観光客が一人。元箱根まで行きたいようで、提示された額は5,000円以上。ケーブルカー・ロープウェー・フェリーと乗り継ぐにしても高過ぎる。そして駅員の態度も最悪だ。
日本人として恥ずかしく、救いの手を差し伸べる事にした。私の行く先は箱根園。徒歩で山を二つ越える事になるが、駒ヶ岳からロープウェーで箱根園に下り、そこから元箱根にバスで行けば高くはない。私は誘ったつもりはないのだが、彼は私の計画に乗ってきた。
こうして私とドイツ人の箱根旅行が始まった。お互い英語が話せるのが救いである。
早雲山でロープウェーに乗り換え、大涌谷で下車。ここまでとにかく混んでいたので、着いた頃には12時を過ぎていた。それに加え進んだ道は展望台方面。道を間違えた上に山登りをさせては、元箱根での観光をする時間がないかもしれない。それでは申し訳ないので、ロープウェーで桃源台に降りる事にした。フェリーが高いのなら、タクシー代を出して元箱根に連れて行こうという考えである。これは親切心ではなく、案内を買って出た責任である。
ロープウェーの中でふと思う。お互い気を使って行動が制限されるのも問題かと。私は地元の様なものなので支障はないのだが、彼はなにせドイツ人である。
フェリーの値段は片道で1,000円もせず、元箱根から箱根湯本駅および小田原駅まではバスが出ていて1,000円未満行ける。その旨を伝え、桃源台で別れる事にした。いや正確には、桃源台で少し散歩をしてフェリーに乗りたくなったら呼んでくれ、と提言したのだ。その結果、ここまでで良いと言う事になり解散に至ったのだ。解散したは良いものの、私には目的がなかった。また大涌谷に戻って山に登る時間でもなし、他に目的もなし。なので、そのまま小田原駅へ直行するバスに乗って帰宅した。
私の取った行動は正しかったのだろうか?そもそも何がベストだったのだろうか?とりあえず、あの駅員の態度だけは間違っている事は確かである。
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