2009年6月13日土曜日

ひとりぼっちの軽井沢 その1

 2009年6月12日、朝4時に起床して支度を始めた。家を出る直前、何かを背負って運転したくないと思い、替えのレンズとMacBookを置いていった。
 5時10分に家を発ち、近所のスタンドでガソリンを補充。三国峠を超えて行こうとしてたのだが、何処かで道を間違えて富士スピードウェイの方に来てしまった。走り慣れたコースを間違える始末。幸先不安である。

 篭坂峠を越える気にはならず、東富士五湖道路を使用。軽自動車用の料金設定がないので、バイクは普通車と同じ額を払わねばならない。なんとも阿呆臭いので山中湖I.C.で降り、6時20分、道の駅"富士吉田"で休憩。早朝な事もあり気温は11℃。少し厚めの装備で来たものの、それでも寒くてペースが遅れた。
  雄大な富士山を背に、下道で大月へと向かう。いつもなら中央自動車道に乗って見る事の出来ない街並みだが、予想よりは栄えていた。とはいえ長閑なものである。
大月からもそのまま国道139号を走る。冷えているせいで尿意が近い。意外と集落が点々とあり、立ちションするポイントを探すのに苦労した。
 正直なところテンションは低い。それを盛り上げてくれたのは、松姫峠付近の景色だった。
  長い道のりを経て、8時40分、奥多摩湖に到着。南湖岸の駐車場付近で、ロープウェイの駅を探した。頭上にはロープが見えるので、それを辿った先へ行く。最初は階段があったのだが、途中からはぬかるんだ急な傾斜。泥で手を汚さぬよう草木を掴んで登った先には、廃れた駅とロープウェイが待っていた。ノスタルジックというより不気味である。チキンなのであまり奥には進まず、対岸の駅へと向かった。
  県道411号からトンネルの手前で左の急傾斜を登る。途中で車両は侵入できなくなるので駐車。少し登れば右手に駅があるのだが、それに気づかず道沿いに左へ曲がった。

ギャーっ!!

 道の真ん中に座り込む老婆。何故そこなのか?何の為にそこにいるのか?とにかく驚いた。問題の駅は一応立入禁止っぽくなっていた。フェンスを越えて行く若さはない、というか見つかって怒られたくないので、外観だけ見て退散。
  日原鍾乳洞に惹かれたが、これはまたの機会と諦め、県道411号を東へ。軍畑から県道53号へ抜け、廃村白岩を目指す。それっぽい通行禁止の道があったが、時間的に冒険する余裕が無かったのでスルー。その反対側にある冠岩も予定に入れていたが、とにかく秩父市内の廃墟は全てスルー。
 国道299号を秩父に向かって走っていると目につく建物。二度目ともなると正体を知らずにはおれず、現地へ向かってみた。そこは三菱マテリアルの横瀬工場。巨大な建築物の後ろには武甲山。かなり雄々しい光景だった。
  11時15分、道の駅"ちちぶ"で休憩。すぐ裏手の秩父太平洋セメントを楽しみにしていたのだが、綺麗な更地と化していた。宿を予約していなければ、このまま帰りたいところである。

 県道82号を北上し長瀞へ。12時5分、白鳥神社に到着し、裏手の山を登った。それとなく道はあるが、かなり草木に覆われている。どうにかこうにか10分程で山頂に着くと、そこには廃墟と化した模擬天守"天神山城"が待っていた。内部はかなり廃れており、簡単に床が抜けそうなので、中には入らず退散した。
 天守を後にしてすぐ、来た道を歩いていない事に気付いた。方角は違えど歩きやすく、下には向かっていたのでそのまま進んだ。明らかに白鳥神社から離れている。そうして現れたのは、一面の花畑と廃墟だった。
  レストハウスだったのだろう。公衆便所も近くにあった。しかし、ここから先の道が見つからない。ここで私も廃れてしまうのだろうか?適当に進んだら下方に舗装された道が見えた。なるほど、花畑は駐車場であり、そこに繋がる道があるわけだ。こうして進んだ先のゲートには立入禁止の文字があった。まぁ出る時に言われても、どうしようもない。
 山の南側に出てしまったので、ゲートから徒歩10分、西側の白鳥神社に戻り、12時50分に出発した。
  県道13号を進み、目指すは藤岡。しかし途中で県道44号へ逸れてしまい、児玉に向かってしまった。
 児玉で給油している最中、国道17号を走るのがかったるく思えた。関東帝国ヒューム管、そしてカッパピアを予定していたが、そこへ行っても立入禁止を無視してゲートを越える性格ではないのは分かったので、高崎へ向かわず国道254号で吉井へ。吉井I.C.から上信越自動車道に乗った。
 14時、甘楽P.A.で一服し、横川S.A.で食事を摂った。かなり予定を変更したので、余裕がある。途中で富岡製糸場が気になったが、廃墟になっているわけではないので、いつの日か気が向いた時にでも行こうと思う。
 碓氷軽井沢I.C.へ下っていると、高岩山が魅力的だった。頂上まで行けるなら、是非とも登ってみたいものだ。後で調べたら、意外と楽に登れるらしい。

 生涯2度目の軽井沢。一度目は妻恋への通り道だったうえ、興味ゼロだったので、かなり記憶にない。そんな軽井沢は、実に軽井沢だった。広い道に素敵な街並み。さすが軽井沢。
  軽井沢は通り道に過ぎなかったのだが、時刻は15時半と余裕があったので、南口のアウトレットモールへ行った。
 今回のツーリングのモットーは「安く」である。宿代を入れても15,000円未満で収まる計算だ。旅費としては予定通りいくだろうが、旅とは関係ない出費をしてしまった。
 モールでNIKEのショップを見つけてしまい、NIKE+iPod用のシューズを購入。専用シューズを買う必要はないのに。使うか分からないドリンクホルダー兼iPodケースも。さらに勢いでウェアも新調。3万円も旅行と関係のない事に使ってしまった。
  16時50分にモールを出て、軽井沢駅北口を見た後、白糸の滝を経由して鬼押出へ。正確には、この付近の廃墟となった展望台が目当て。
 近所の博物館は閉館時刻を過ぎており閑散としていた。そこに来れば誰でも目につく建物なのに廃墟。いくつかの施設が集まっているので、それなりの来客数はあると思われる。この展望台からの眺めは素晴らしいものだろう。しかし廃墟。何故か廃墟。気兼ねなく出入り出来る状態だが、アスベストの問題で廃墟となったのならマスクの一つも欲しいもので、やはり侵入せずに退却した。
 浅間山の巨大さに圧倒されながら国道146号を南下。19時前には中軽井沢の宿”旅籠屋”に到着した。予定を変更した甲斐のある結果だ。
完全に陽が沈んでから空を眺めてみたが、期待した星空は見えなかった。避暑地なだけにかなり涼しく、バイクで夜空を見に行く気にはなれない。かなり疲れていたので、23時には眠りに就いた。

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