2010年8月10日火曜日

朝霧高原・毛無山

 2010年8月10日、西伊豆に潜りに行く予定で2時には起きたものの、外では雨が降り出した。急いで天気予報をチェックし、今日という日にベストな遊びを考えた。
 そうして選んだのが朝霧高原から登る毛無山。標高1946mと富士山周辺の名を持つ山としては最高かもしれない。毛無山からの景色は良いらしいが、そこは求めず6時30分に旅立った。
  御殿場あたりから徐々に晴れ間が見え、富士宮の空気はとても澄んでいた。それとは裏腹に、私の向かう方向の山々には雲がかかっている。
  8時45分に登山口手前の公衆トイレに到着。登山者用の駐車場からここまで片道1kmある。1kmの舗装路なんて歩きたくないので、バイクという事もありトイレの脇に停めた。
 これまで晴れ間を見てきたのに、西側の山々にはやはり雲がかかっている。それも大分低い。

 サンドイッチを頬張り9時8分に出発。気持ち雨がパラついてきたが気にする程のものではなかった。
 9時15分、登山口に入ると右手に麓宮というお堂があった。「静岡県林業会議所」と書いてあるが、お堂で会議なんて村の長達が秘密の会議をしているイメージだ。

 毛無山と地蔵峠の分岐点。まずは毛無山を目指すので右手に進んだ。地蔵峠を経由して帰ってくると、ここに出てくる。

 登山口と山頂の標高差は約1,000m。十合に分けた案内板があるので、一合登れば100m登ったと思っておけば良いだろう。
 途中にピークがあるわけでもなく、とにかくこの1,000mをひたすら登る。それだけに全体的に急勾配である。すぐ上に雲があるだけに湿度が高く、ミストサウナ状態でかなりモイスチャー。私の肌は10歳ぐらい若返ったかもしれない。

 各合目に到着した時刻は下記の通り。
一合目 9:30
二合目 9:38
三合目 9:49
四合目 10:00
五合目 10:12
六合目 10:24
七合目 10:35
八合目 10:49
富士山展望台 10:58
九合目 11:04
地蔵峠との分岐点 11:07
十合目(山頂) 11:19

 二合目のすぐ先に不動ノ滝の展望台がある。休むには早かったので、遠目でも分かる大きな滝をチラ見。
 三合目を過ぎて間もなく、遂に霧が出始めた。当然である。しかし頂上まで視界を奪うほど濃くならなかったのは幸いと言うべきか。
  七合目を過ぎると雨が降ってきたっぽい。木々が生い茂っているので、ほとんど影響がないのだ。なので気にせず進み続けた。

 上記のタイムを見ると、結構コンスタントなタイムを弾き出している。富士山展望台の位置を把握せずに「富士山展望台で休憩を摂ろう」と決めたのが原因である。九合目の手前で休むのも馬鹿らしいので、休憩なしで頂上まで登りきってしまったのだ。

 ちなみに富士山展望台からの景色は天国。要は真っ白という事だ。地蔵峠との分岐点付近にある北アルプス展望台。こちらからの景色も天国。富士山側の開けた山頂からの景色も、もちろん天国だ。1,900mもあれば雲を抜けてくれるかと思ったが、現実はそんなに甘くなかった。
  幸いにも頂上では雨に降られなかったので、25分の休憩。分岐点まで戻り、地蔵峠を目指した。ちなみに、上記のタイムだと「分岐 - 山頂」間で12分かかっているが、ひたすら歩けば5分の距離だ。
 分岐点からの傾斜は緩やかで、標高1,891mの丸山の存在に気づかなかった。とても軽いピークがあったので、多分それだったのだろう。
 しかし、丸山を過ぎれば急傾斜。とはいえ登ってきた道に比べれば安全度は高い。景色の開けた場所が一箇所あったが、やはり天国。
  12時21分に地蔵峠に到着。天気が良ければ、ここからも景色が望めるだろう。一服だけして次の分岐点を目指す。この分岐で、麓に帰るか金山・雪見岳に向かうかが決まるので、左へ折れよう。
 すると真っ先に心が折られる。なんという急勾配。ロープがあるから良いものの、無ければ滑り落ちる以外に方法が無い。とはいえこんな急勾配が続く訳でもなく、あとは瓦礫の下り坂。まるで富士山でも歩いているようだ。
 2本目のロープを手繰った後、かすかに沢の音が聞こえた。3本目のロープを手繰った後は明確で、沢が近いと思うのだが私の経験からすると油断は禁物だ。私は檜洞丸で一向に近づかぬ沢を味合わされている。
 そう思いきや沢は近かった。12時47分に水場に到着。「ここからは沢を下るんだ」と勘違いをして下っていたら、滝の上に出て途方に暮れた。右上手を見ると山道らしきものがありそうだ。さらにそこへ向かってショートカットした様な形跡も見られなくもない。普段の私ならショートカットして泥沼にハマっていただろう。しかし今回は訳が違う。ショートカットをして足を滑らせたら、滝下に落下しかねない。なのでここは引き返してガイドブックを見た。答えは、水場に着いて5mぐらい沢を下りたら左手に登るのだ。進行方向からは木に隠れて気づきにくいが、逆に歩いたら確かにロープと道標があった。
  一旦沢から離れ、トラバースを下って徐々に沢へと近づいていく。13時20分、登山道が沢と隣接し、一度右岸に渡ったあと再び左岸へと戻り、また下っていく。この途中で雨が激しくなってきて、遂にポンチョの登場。濡れた笹の葉もなんのその。ポンチョのお陰で楽々前進。
 次に沢に接するのは"比丘尼の滝"の下。このすぐ先で右岸に渡り、また左岸へと渡るのだが、雨のせいか水かさが増えていた。場所を見極めれば渡れるレベルで良かったが、場合によっては完全に道を閉ざされると思うので、この道を使う時は注意が必要だ。

 比丘尼の滝に着いたのが13時50分。この8分後に毛無山との分岐点に戻ってきた。登山道を出ると雨はパタリと止んだ。山の天気は良く分からないものだ。とはいえ下界も少しは雨が降ったようだが。
 14時12分に公衆トイレに到着。少し休んで14時30分には出発したのだが、人穴への交差点手前で雨が降り出した。ポンチョを着たものの、ミルクランド付近では止んでしまった。しかし、十里木高原や山北から自宅までの間でも雨が降り、散々な帰り道だった。

 捨て駒な感じで登った毛無山だが、登るなら是非とも天気の良い日を選んで欲しい。

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