2014年1月25日土曜日

少し上品な休日

東京へ行くため駅に向かって歩いていると、
一匹の猫に遭遇した。
「なんだ君は?私を出迎えてくれるのか?」
「そんな訳はニャいだろう。
食う物が無いなら立ち去りニャ。」
そんなやり取りをする間もなく、
あまり構わず駅へと歩いた。

東海道線に揺られている内に睡魔に襲われる。
涎が垂れるのはいつもの事だ。
今日は早めに対処できて幸いだ。
上野の国立西洋美術館ではモネ展が開催されている。
来てはみたものの、私には印象派の素晴らしさが分からない。
なにせゴッホの良さも分からぬのだから。
私の絵に関する感性は、実に幼稚なものなのだろう。
細部や歴史を見ることなく、
表面だけ見て好き嫌いを決めてしまう。
それだけに常設展の宗教画や、
ムンクの版画展は実に楽しめた。
「マドンナ」は実に衝撃的である。

上野の森美術館では遠藤彰子展。
大きさと密度から成る迫力。
魚眼レンズとも違う不思議な空間。
こういう作品には実に惹かれるのである。

時間があるので徒歩で南下をした。
大混雑のアメ横ではあるが、
アーケード内に入ると閑散としており、
反対側へ抜けてもそれほど混んでいない。
この狭い地域で、ここまで勝ち負けが分かれるものなのか?
その極端な光景にはただただ驚かされた。

秋葉原は私の好きな街である。
しかし、私の趣味が変わった事で
全く用が無くなってしまった。
どの店も狭い上に混んでおり、
さらに臭い奴らがたくさんいるのだ。
よほど好きな興味がない限り、
店に入ることする躊躇してしまう街である。
ただ、こういうさりげない面白さがあるのが、
秋葉原の魅力である。
秋葉原駅前には、カメラを構えた人だかり。
アイドルでもなければメイドでもない。
そこにいたのはネコである。
高いところにネコである。
子猫が下りれず困ってる。
どいつもこいつも、
写真を撮ってないで助けてやれよ!
そう自分にも含めて思ったが、これは早計。
すぐ近くに飼い主がおり、間もなく猫と共に立ち去った。
一体なんだというのだ、この街は。

連絡通路の合間にて
S.I.C.の展示が行われていた。
そこを出た先にはSAMURAIが!?
剣心がマックでござるか?

渋谷は相変わらずの人混みで、
とりあえずApple Storeに行くものの、特に用は無かった。
相変わらず素敵な店という事だ。
用があるのは向かいのパルコで、
みうらじゅんの「いやげもの展」をやっている。
あげる方ももらう方も微妙。
むしろ土産に欲しくないもの。
そんな個性的な土産物を集めた展覧会。
多くが見た覚えのあるものなのに、
それらに焦点を当てたセンス。
私の偏った趣味なぞ所詮サルマネ。
みうらじゅんのセンスは見習う事が多い。

最終目的地はNHKホール。
N響のオルフ「カルミナ・ブラーナ」を聴きに来たのだ。
ピアノ、パーカッション、合唱から成る
「カトゥリ・カルミナ」も良かったが、
やはり「カルミナ・ブラーナ」である。
生で聴く「カルミナ・ブラーナ」は実に良かった。
私ごときにはこれ以上の感想を書く表現力がない。
だが一つだけ言わせて頂くと、
23楽章のタンバリンは、
もっとアクセントが効いてた方が良いのではないか?
あのロールからの一撃は大事だと思うのだが。

素晴らしい絵と素晴らしい音楽を味わい、
20時過ぎに渋谷を後にした。
なんとも充実した休日ではないか。

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