歳のせいか季節のせいか最近は温泉に行くのが好きだ。家から徒歩15分で日帰り温泉には行ける。隣町は箱根だし湯河原・熱海も遠くはない。冬季休暇ということで遠くの温泉地に行くことにした。でもコロナ禍でまだ思い切ったことをする気にはなれない。なので関東圏内。草津も伊香保も街の雰囲気が素晴らしい。でも違う、何か違う。温泉以外の目的が欲しい。
それに応えたのが鬼怒川だった。鬼怒川の廃ホテル群。侵入するわけではないが、外からだけでも一目見たいと思っていた。けれども宿は川治温泉。宿を決めたらら計画を立てて、いざ出発。
12/29(木)、5:28 国府津発で北千住へ。もちろんグリーン車。そこから特急リバティきぬ105号。おそらく初乗車の東武。9:35には鬼怒川温泉に到着。チェックインには早い到着だが、この時間しか特急券が取れなかっただけ。流石年末といったところか。
鬼怒川駅12:00発のバスに乗りたい為、時間を潰す。
鬼怒楯岩大吊橋を渡り、
楯岩から鬼怒川の街を眺め、
小さいが雰囲気は良い古釜の滝を見て、駅へと戻った。それでも時間は余っていたので、足湯に浸かりながら読書。
バスで来たのは龍王峡。なんでもここから宿泊地である川治温泉まで歩いていけるというではないか。その距離6km超。他にやる事も無かったのでちょうど良かった。
雄大な渓谷、そして積雪。軽アイゼンを持参しなかったので不安はあったが思い切って先を進む。積もる所は積もっていて溶ける所は溶けていて、幸いにも問題なく進めた。
1時間ほどで川治第二発電所に到着。ここが大体中間地点。舗装路を登った事で心が折れて、バスにでも乗れないかと調べようにも携帯圏外。何かあったら119番と書いてあるも、そもそも電波が届かない。
仕方なく先に進もうとするも、国有林管理歩道(一般者通行可)は罠。ここは舗装路を上に進むのが正解。
私は舗装路が嫌で歩道を進んでしまったのだが途中で崩落。来た道を戻らず斜面を這い上がると、そこにはハイキングコースの地図があった。崩落していなければ、あの歩道が正規ルートだったのかもしれない。
川治第二発電所からはとにかく舗装路を歩く。これさえ覚えておけば電波が入らなくても迷うことは少ないだろう。
浜子橋を渡った後も迷わず舗装路。ぐるっと回って標識を発見して一安心。ここから隧道が3本続くが、暗闇に覆われることは無いのでライトが無くても安心。
小網ダムに着いた頃には完全に飽きていて、川治温泉駅から電車かバスで移動したかった。しかし歩いた方が早く着きそう、かつ未舗装路を進むので歩いていくことにした。
道中、ブシュー、ブシューと荒い鼻息が聞こえた。もしや猪!?音は近いが姿は見えない。それもその筈、ホースかパイプから水が吹き出している音だった。
あじさい公園を抜けて黄金橋を渡れば目的の地に到着。14:40、休憩を入れつつ2時間半で到着した。
かわじいの湯(足湯)で休憩し、本日の宿「登隆館」にチェックイン。古い。昭和の作りな宿、露天風呂も無い。周りの宿が眩しく見える。子供がいたら不満を垂れ流すことだろう。しかし私には心地良かった。設備の古さはさておいて静かである。それより何より部屋食だ。海の幸、山の幸、川の幸、様々な料理とたらふくな量。朝晩ともに大変満足。私の普段の食事が単調なせいもあるが、大変満足できた。
12/30(金)、周囲を軽く散歩してから朝風呂。8時から朝食。10時前にチェックアウト。
秘境駅・男鹿高原に行くつもりだったが、朝食の時刻により断念した。
街から離れた場所にある川治湯元駅。電子決済は使えない。10:27発の電車に乗って鬼怒川公園で下車。ここから鬼怒川温泉駅まで散策である。
鬼怒川廃ホテル群として有名な光景は滝見橋から眺める事が出来る。
廃墟どうこうはさておき鬼怒川を挟んだ巨大ホテル群。川沿いに温泉旅館が並ぶ光景は他にもあれど、渓谷とホテル群が織りなす光景は鬼怒川独特かもしれない。
ふれあい橋を渡って鬼怒川温泉駅へ。12時発の特急リバティ会津130号で北千住へ。そこから先はグリーン車。朝食でお腹いっぱい食べたので、寄り道をせず真っ直ぐ帰宅。15:53、まだ明るい内に国府津に到着。久々の旅行は大変満足の行くものだった。