2010年2月6日。朝6時に目覚ましをかけたが二度寝。7時35分に秦野駅を出発するバスを狙っていたが、寒さに負けて二本遅らせる事にした。
7時50分に家を出て、富水発8時17分の小田急線で秦野へ向かった。予定ではバスの時刻まで余裕がある。一度バス停の位置を確認した上でトイレに向かおうと思ったら、積雪の為ヤビツ峠行きのバスは運休中だと言う。蓑毛までなら行けるというが、蓑毛が何処だか分からない。どうやらヤビツ峠よりも下の方らしい。正直なところ帰りたかったが、気が乗った時を大事にしたいのでバスに乗り込んだ。
9時5分に蓑毛に到着。降りた場所には公衆便所があったので利用した。
近くにある大日堂に寄って、いざヤビツ峠へ。蓑毛も悪い土地ではなかったので、これはこれで良い出だしだ。
林道を進み沢を渡ってすぐ、ヤビツ峠と髭僧の滝の分岐があった。予想もしていなかった滝の存在。時間も距離も書いていないが、とりあえず向かってみる事にした。いくつかダムがあるものの、滝らしい滝はない。そして道が途絶えた。終点にあったのは、滝は滝でもダムによる滝。これは明らかに違う。さらに先へ進む気にはなれず、分岐点まで戻った。後で調べたところ、確かに髭僧の滝は存在する。道中で沢に架かる橋が見えたので、沢へ下りその橋を渡るべきだったのかもしれない。
ヤビツ峠が近くなるにつれ、徐々に積雪量が多くなっていく。10時40分頃、ヤビツ山荘に到着。人気はまるでなく、ただ雪だけが積もっていた。積雪10cmといったところだろうか。
遠目に見てチラホラと白かったが、まさかここまで積もっているとは予想していなかったので、スパッツも軽アイゼンも用意はしていない。幸いにも登山客の多い山なだけに道は踏みならされている。たまに滑るが、そのまま進んだ。
イタツミ尾根を歩いて大山山頂を目指す。尾根と言っても、稀に木々の間から景色が見えるだけ。ただただ雪と格闘しながら進んだ。たまに風が吹き込むと寒いが、基本的には丁度良い気温だった。とはいえ雪の中なので、鼻水だけは止まらない。頻繁にかむとティシューの在庫が尽きるので、鼻をすすりながら頑張った。
阿夫利神社下社からの登山道25丁目で合流。その少し前で西側の景色が開けるので、富士山と丹沢の山々が堪能できる。
11時54分、大山山頂に到着。ヤビツ山荘から1時間で到着した。
幸いにも大山山頂は風がなく。強い日差しが心地よかった。折角なので1杯500円のとん汁を注文。お汁粉が目についたが、その時にはとん汁を手にしていた。しかしこれは正解。お汁粉は自家製ではなく、小さいカップで市販されているものである。こんなの下界から持参すれば良い事だ。
空気は非常に澄んでおり、山頂からの景色は絶景。伊豆半島は大島と利島、東は房総半島まで見えた。横浜だけでなく新宿のビル群まで肉眼で確認できたのは、感激の一言である。
12時15分に山頂を出発。見晴台までの1時間は、淡々と雪の中を下っただけである。
特筆するとしたら、尿意を我慢出来ずに野ションした事ぐらいだろう。周りが雪だらけなだけに、用を足した跡はクッキリ残ってしまう。かといって、積雪が多いので道をそれる事も出来ない。かなり気を使って場所を選び、それなりに雪で跡を消してきたつもりだ。
見晴台から阿夫利神社下社までは25分といったとこ。阿夫利神社下社の手前から急激に積雪量が減ったので、ここもかなり降ったのを人為的に無くしたのだろう。
阿夫利神社を見て14時のケーブルカーに乗車。時期が時期だけに空いていた。
今回の楽しみは、この先にある"こま参道"の写真を撮る事と、ここで豆腐料理を堪能する事である。ところがまぁ相場の高いこと高いこと。しし鍋も豆腐料理も、最低で1,700円といったとこ。
そんな中で見つけたのが、小洒落ることなく少し寂れた"すぎやま食堂"。値段も手頃で落ち着けそうだ。入った早々、席に着く間もなく注文を聞かれた。何事かと思い私はもう閉店なのか尋ねたところ、どうやらそのようだ。いや、本当にそうだったのだろうか。確かに客は一人もいなかったが、表には営業中と出てたのに。ともあれ仕方ないので、他の店を探す事にした。
しし鍋や豆腐料理は、何処も相場が変わらない。そんな中で目についたメニューが汁粉。これはと思い立ち止まったら、店の人が扉を開けて誘ってくれた。その店の名は"山ゆり"。特筆するメニューはなく、逆にここでは珍しいかもしれない。注文したのは月見そばと汁粉。そばも美味しかったが、やはり汁粉だろう。500円という値段の割に少量に感じたが、味は良かった。これ2杯でも良かった気分だ。
バスの時刻まで時間があったので、下りれるところまで下りる事にした。沢沿いに民家と民宿が建ち並ぶ。一昨年初めて来た時は、身近にこんな場所があるのかと驚いたものだ。
あたご滝まで来たところでバスの時刻が近づいたので、ここでバスに乗車。伊勢原駅から小田急線で帰り、16時半前には自宅に着いた。
過去の経験と比べると、バスで大山登山に挑む方には、阿夫利神社下社を起点と終点にするよりも、ヤビツ峠を起点か終点にする事を進めたい。行きも帰りも階段地獄なんて、無駄なだけである。
次回大山に登る時は、蓑毛からヤビツ峠を経由せずに大山へ登り、日向薬師へと抜けて七沢温泉で一風呂浴びて帰りたいものだ。何気に髭僧の滝を発見できなかった事が悔しいのである。