2009年7月20日月曜日

足和田山と富士の樹海

 2009年7月20日、6時半に目覚めて空を見てみると、雲は多いものの明るい空だった。連休最終日は大人しくしていようと昨晩決めたばかりなのに、この空を見た途端出かける事を決意した。
 支度を済ませ7時17分に出発。富士山方面を見ると淀んだ雲に覆われていたが、昨日の予報では”晴れ”がメインだった筈だ。三国峠を越えると、そこには美しき富士山が待っていた。展望台周辺で眺める人は普段より多い。それだけ素敵な光景であり、とうぜん私も足を止めた。
  時間に余裕があったのでマクドで朝食を摂った。呑気に便をしたりしていたら、意外とギリギリの時間になってしまった。

 9時半、富岳風穴の駐車場に到着。反対車線のバス停で時刻表を見ると、どうにも私の乗ろうとしている時刻が無い。そろどころか、ネットで調べたよりもかなり本数が少ない。そんな時刻表を無視して、バスは予定通りにやってきた。風穴発のバスに乗るつもりが、既に乗客がいたので、このバスがどのバスなのかは分からないのだが、とにかく一本木に停まってくれたので問題はない。短い距離の割に380円とは、少し高いのではないか。

 9時45分、バスを下車。国道139号から斜めに伸びた道を歩いていくと分岐にぶつかった。方角的には北へ行くべきなので右折したのだが、次の分岐で心に迷いが出来たので、地元の方に尋ねてみた。そもそもが最初の分岐で道路脇にあったゲートに入らなければならなかったらしい。ゲートに戻って見てみると、確かにその旨が記されてあった。
  10時、ゲートを開けて出発。いきなり木の階段が出迎えるが、それは部分部分の事であり、全体的に登り易い傾斜である。その登り易さに乗せられて登っていたら、30分後には疲れていた。5分に満たない休憩の後、右手に鉄剣のお堂があった。

  大嵐との分岐を越えて、五湖台と呼ばれる足和田山山頂に到着。10時45分、予想を遥かに下回る短さだった。


 山頂には展望台があるものの、北側は木に邪魔されて眺望は望めない。南側の富士山は、残念ながら雲に覆われていた。まぁ富士山は三国峠で堪能したので良いだろう。
  10時53分に出発し、三湖台を目指す。延々と続く傾斜の緩やかな下り坂。道も広くてかなり歩き易い。
 舗装はされていないものの車道なのか、道が分かれては交わり、また分かれては交わり。一応北側の遊歩道と思われる道を進むものの、木々の間から西湖がチラチラ見える程度で、そこに湖があると知らなければ認識できないだろう。
 遊歩道側には稀に登り階段があるものの、何か景色が見えるわけではない。ただ登って下るだけ。これなら車道側を歩いた方が利口なのだが、何かあるのではとついつい遊歩道を選んでしまい、やはり何も無かった。
 登りを選ぶのは、三湖台へと向かう階段だけで充分だ。

 ここまでの総評を言うと、かなり退屈な道のりである。子供連れには丁度良いかもしれないが、成人男性一人には退屈すぎた。
 11時35分、三湖台へ出ると、景色が広がっていそうな雰囲気だった。残念ながら西湖を一望とまでは行かないものの、西側には青木ヶ原樹海が広大に広がっていた。富士山の見えぬ曇天なのに、本栖湖まで見える程だ。
 これには流石に感激し、いろいろ写真を撮ろうとしていたが、どうにもベストなポイントを若い衆が陣取っている。他にも人がいるのだから、写真を撮ったら早々に立ち退いて欲しいものである。餓鬼共が。
  11時47分に三湖台を発ち、少し歩いて11時55分、駐車場のある廃墟の様なレストハウスに着いた。紅葉台である。展望台に上がるには大人150円、子供100円の料金が必要だ。いろいろ置いてある店だが、おそらくこの展望台料金が全てを担っている感じがしたので、一応登ってみた。三湖台には及ばぬものの、晴れていれば悪くはない。紅葉台と三湖台、晴れた日に車で出直したい場所である。
  紅葉台から先も退屈である。マナー違反ではあるが、歩き煙草をしてしまったほど退屈だった。楽な道のりも問題である。
 12時27分、国道139号の下を潜り抜けた。既に上り方面が混んでいたのは見たくなかった。
 青木ヶ原樹海内を歩いて12時34分、氷穴に到着。入城料は280円。多くの観光客と共に洞窟内に入ったのだが、そこにあったのは氷。積み重なったブロックアイス。氷っていられるほど寒いのが見所なのだろうが、一つの洞窟として見ると最低だ。これならそこらの鍾乳洞へ行った方が全然良い。
  肩を落として風穴へと向かい、13時10分に到着。入洞してすぐに氷柱があるのと、奥に蚕があるぐらいで、やはり最低だった。氷穴と風穴を比べるなら、空いているぶん風穴のが良かった。名前に惹かれて氷穴だけ選んでしまう人が多いのだろう。
 13時半に駐車場を出発。渋滞はすり抜けで回避するものの、河口湖町も山中湖方面となると回避できる幅が無い。しかし、バイクを運転しながらファインダーを覗かずに写真を撮っていたら、それほど渋滞は気にならなかった。
午前より雲のかかった富士五湖一帯。もはや三国峠からも富士山は望めなかった。

 本日得たものは、”三国峠はやはり素晴らしい”と”三湖台からの青木ヶ原樹海は最高だ”という事だ。いずれも車で済む話である。

2009年7月11日土曜日

6度目の富士山登山


 決行日は7月11日(土)。今年は単身という事で御殿場口登山道を考えていた。残雪による山開きの遅延により予定が立てられず、9(木)時点では足和田山へ登るつもりでいたが、10(金)に須走口登山道が開通した事を知り、急遽その晩に登る事を考えた。

 例年との違いはコースだけでなく装備だろう。ザックも服装もアウトドア用を用意したので、軽量化も防寒対策も万全である。
 今年度の目的は”星空を見る”かつ”撮る”こと。一応リモコンと三脚は持って行ったものの、星空に恵まれる事はなく余計な荷物となってしまった。

 前日は寝付くのが遅く、睡眠時間は4時間あったかないか。仕事を20時過ぎに追え、近所のスポーツ用品店へと向かい、ダウンとフリースを購入した。さらに2ℓの水とカップ麺を購入しに行き、家に帰ったのは21時頃。食事を摂り荷物をまとめる。最初はコンロを持って行く予定だったが、山頂の天気は強風との事で、コンロやボンベそしてカップ麺は断念。

 荷物を纏めてバイクの準備をしていたら、出発は22時25分になってしまった。富士宮口の経験から行けば、まだギリギリ山頂での御来光に間に合う時間だ。出発したものの、バイクの調子が悪い。出発して間もなくエンストを起こし、以降まるでセルがかからない。コンビニで停車し様子を見ると、なんて事ない。ただ給油コックの位置が間違っていただけだった。ついでにオニギリ4個を購入し、改めて出発。せめて24時には登り始めたかったので、かなり気が迫っていた。谷峨の辺りから肌寒さを感じた事もあり、23時10分、道の駅”ふじおやま”付近のコンビニでフリースと薄手のジャケット、そして手袋を着用。こんなところでフル装備になって良いものかと思うが、バイクで五合目まで行くのは割と寒いものだ。
 走っていると富士山に無数の灯りが見えた。山小屋や登山者たちの灯りである。こうして見ると馬鹿ばっかりだと思ったが、それを見てテンションの上がる私も同じ馬鹿だ。なんだかんだ言っても、日本は仏教より神道の国なんだと感じた。

 23時50分には五合目の駐車場に着いた。東富士山荘の前で一服し、0時8分に登山開始。舗装された階段を進み古御嶽神社を過ぎれば山道となる。木々の生えた緩やかな坂を延々と歩く。こんな時間でも登っている人はそれなりにいたのだが、私に抜かされている様では山頂での御来光には確実に間に合わない。彼らの目的は何なのだろうか。

 強風を覚悟していたのに反して風は全くなく、Tシャツにフリース一枚でも登っていると暑いもので、せめてフリースの袖だけは捲った。0時55分に本五合目に到着。9(木)の晩に6km走った時に、足がやけに重かったので、まだ疲れが取れていなかったのか、結構疲れていた。
 とりあえずここで擦れ防止のムースを脚に塗り、一服して1時8分には出発した。山開きしたてなだけあり、路肩に雪が残っている場所もあった。木々の無い場所では風が少し強かったが、フリースの袖を下ろす程度で対応できた。幸いにも雨の降る気配はないが、月には雲がかかっており、どんなに登れど星空は期待できない。
 1時33分、本六合目に着いて7分ほど休憩。防風も兼ねて、ここで薄手のジャケットを羽織った。ここから先は風を遮るものがなく、かなり強風に煽られた。2時23分に七合目の太陽館につき一服しようとしたが、ジッポの火が点かない程の強風。火を点けるのに夢中になっていたら、12分の休憩になってしまった。まぁ全体的に急ぎ気味なので、高山病防止のために休憩を長めに取るのは悪い事ではない。但し、休憩を長めに取ると、それだけ登るのが辛くなる。強風による寒さ、脚の疲れ、そして睡眠不足。本来なら山小屋以外で休憩をしないようにしているのだが、2時55分、道端で休憩を取ってしまった。ダウンを羽織り15分ほど寝転がる。

 3時23分、本七合の見晴館に到着。この時刻で本七合。まだ先はかなり長い。そしてこの寒さ、本気で帰る事を考えた。富士山に登る事6回目、始めての断念である。しかし、明るみを帯び始めた空を見ている内に、雲海が姿を現しだした。「この景色をもっと上から見たい」そう思い3時55分に出発。4時11分、八合目は素通りし、4時半に本八合目のトモエ館に着いた。雲に隠れてハッキリしないが、恐らく陽は昇ってしまっている。
 とにかく山頂に着けば良いので、25分の休憩の後、強風に耐えながら登り続けた。但し風を除けば天気が良いのは幸いだ。5時8分、八合五勺で7分の休憩。上を見上げると九合目辺りから渋滞が出来ていた。おそらく頂上でドラクエ9が売っているのだろう。

 5時43分、再び睡魔が襲ってきたので道端で17分の休憩。ここから先は渋滞に巻き込まれながらノンビリ山頂を目指し、6時17分、なんだかんだで登頂する事が出来た。
天気は良けれど相変わらず風は強いので、お鉢を巡る気にはなれなかった。そもそも残雪の影響で巡れないだろうが。
 山小屋に入って風を凌ぎ、一杯600円のお汁粉を頼んだ。小ぶりのお椀一杯で600円。あと200円足せばウドンが食べれる。日常生活では不条理な事も、山の上では幸せの一つに過ぎない。
登るのにかかった時間が6時間9分。富士宮口とは大違いであるが、そもそもスタート地点の高さが違うのだ。これは致し方ないものとしても、体調が万全ならもう少し早く登れただろう。

 7時8分、嫌々ながらも下山を開始。意外と山頂でノンビリしてしまった。この計画ではどうにも影富士の望めないコースではあるが、ここからの景色もそれはそれで絶景である。
富士宮口登山道とは違い下山用の道がある為、実に下り易い。傾斜もそれなりになだらかので、ドンドン下りて行く事が出来る。一応山小屋にも寄れるが、少し登らねばならぬ為、とにかく降りる事に専念するのが良さそうだ。
 7時43分、八合五勺でダウンを脱ぎ、8時14分にはジャケットも脱いだ。8時25分には七合目の太陽館に到着と、登りからは想像の出来ない早さで降りる事が出来る。
 ここで24分の休憩。まだ風は強いが半袖で耐えられない程ではない。陽が射しているので肌を焼きにかかった。
いよいよ砂走りの開始。最初は面白いが、とにかく長いので終いには飽きるうえに疲れる。9時4分、流石に疲れて15分の休憩。しかし後7分も頑張れば砂払五合目だったのは、後から気づいた事だった。

 ここから樹林帯へと入り、五合目の東富士山荘に着いたのが9時50分。この下りの早さは魅力的である。
 オニギリがまだ2つ残っていたので、ここで摂取。荷物を纏めて10時半にバイクに跨がり出発した。
 晴れていてもバイクでは、完全に下山するまでは肌寒かった。日焼けする為に我慢をし、下山してしまえばこちらのもの。12時には地元の体育館に到着し、1時間ほどプールで泳いだ。なんとも不思議な事をやっていると感じるかもしれないが、上半身は特に疲れていないので。

 14時頃に家に着き、とにかく洗濯。4時間ほど睡眠を取り、この記録を書くに到った。

2009年7月5日日曜日

金時山から箱根湯本へ

 2009年7月5日、2週間前に予定していたがバスの時刻を見誤り中止にした計画を実行に移した。この計画に求めるのは歩く事であり、景色は求めていなかったので、雨さえ降らなければ問題ない。

 小田原駅まで自転車で行き、8時12分発の大雄山線に乗った。大室山での教訓を活かして1ℓの水を用意したが、スティックを忘れてきた事に気づいた。まぁスティックはよく忘れるので気にするまい。
 8時40分関本発のバスに乗ろうとバス停へ行くと、地蔵堂行きのバスにワンサと人が乗っていた。しかし私が乗るのは足柄万葉公園行きだ。でも地蔵堂行きのバスが出る8時半は過ぎているのだから、これが私の乗るバスではないか?そう悩んでいたら、足柄万葉公園行きのバスが来た。一安心である。
 バスに乗ったのは私を含め3名。地蔵堂行きとは大違いである。とはいえ、このバスも地蔵堂を経由するのだが。ともあれ9時15分に足柄万葉公園に到着。一服した後、足柄峠を目指して歩き始めた。

 足柄峠からも暫くは舗装路となっており車で進める。車で行ってしまえば20分は省略できるが、そしたら帰りも同じ場所に同じ道で帰ってくるしかない。それで満足できるのは子供連れか御老人ぐらいだろう。
  展望台を素通りし、10時2分、金時山へと続く階段を目の前にして一服した。急激に登らされる金時山。12個の鉄階段さえ上りきれば、あと5分程で山頂に着く。陽が出ていないとはいえ滝の様に流れ出る汗。しかしモタモタしてもいられないので脚を持ち上げ、10時半には山頂に着いた。
  昼食に買ったオニギリ3個の内2個をここで食べた。天気が曇りなだけに富士山は見えなかったが、かなり霧の中に入ると思っていただけに仙石原が見えたのは意外だった。これはこれでオツである。

 さて、これで今回のコースのピークに達したわけではなく、ここからが始まりである。金時山に始まり明神ヶ岳〜明星ヶ岳〜塔ノ峰を越え、箱根湯本駅まで歩くのが本日のコースなのだ。距離にして20kmあるんだかなんだか、とにかく行ってみよう。

 10時50分、金時山山頂を後にした。明神ヶ岳まで2時間5分とあり驚かされる。この2つは隣の山ではないのか?以前仙石原方面へ降りた時は金時神社経由の道を通り退屈していたが、今回は明神ヶ岳・仙石原方面である。分岐点であるうぐいす茶屋まで歩いた限りでは、こちらのコースの方が見晴らしが良い。まぁ分岐から先は知る由もないが。
  途中で隣の山が見えるのだが、緑に染まった山の中に一筋の濃い緑の筋が走っていた。ズバリそれが私の歩く道なのだろうが、なんとも素敵な光景だ。11時25分にうぐいす茶屋に着いたものの、明神ヶ岳への道標が無く路頭に暮れた。仕方なく山を下りようと仙石原方面へ歩き出してすぐ、仙石原と明神ヶ岳の分岐となった。解を言うならば、うぐいす茶屋の脇の道を入っていき、突き当たりを左へ行けば明神ヶ岳へのコースである。
  まるで獣道の様な仙石原への道のり。時期が時期なだけに植物の生長が少ない一通りに勝っているのだろう。遠くから見た光景が濃い緑になったいたのが頷ける。そしてこれは地獄の始まりだった。
 明神ヶ岳まで2時間5分に嘘はなく、その間には2つのピークが待ち構えていた。景観は望めず、もはや自分の居場所も見失う獣道。人が一人歩けるだけの道幅で、休憩スペースなどまるで無い。2つ目のピークを下っている最中、一部景色の開けた場所があり、道の脇にもスペースがあったので、12時5分、一服休憩とした。
 ここを過ぎて間もなく、ようやく道は普通の山道らしくなる。これまでにすれ違ったのは、たった2組、というか2人。そしてここで、男の子3人を連れた母親に出会った。ここから何処まで行く気か知らないが、一本道である以上最低でもうぐいす茶屋までは確定である。なんともチャレンジャーな家族ではないか。
 12時25分、明神ヶ岳山頂まで残り40分の道標を見て肩を落としたが、ここからは徐々に明神ヶ岳らしい道のりとなってくる。なんというか、良い感じに草花が生い茂っていて、たまに蝶が飛んでいたりして、歩いていて気持ちの良い道だ。とはいえ急な登り坂があったりもするが。
  明神ヶ岳山頂に着いたのが13時7分。ここはそれなりに人気があった。さすが私の好きな山の一つである。とはいえ景色は霞んでいるし、やる事と言えば喫煙ぐらい。13時17分には次なる明星ヶ岳へと向かって足を進めた。道標によれば90分の距離だ。

 歩き出しは緩やかな傾斜で良いものの、途中からはかなり下まで下らせられる。確かに宮城野との分岐まで大分下った記憶はあった。とても損をした気分になりつつ、12時15分に宮城野との分岐に到着。ここから先は意外と緩やかで、明神ヶ岳山頂付近同様、草花はあれど空は開けており、歩いていて気持ちが良い。曇りな上に風が程良くあり、これはこれで天気に恵まれたと言えるだろう。
 これまでと比べれば嫌な記憶もなく、14時15分には明星ヶ岳山頂に着いた。しかしそこにはベンチなどなく、目についたのは乾いた笹ぐらいだろうか。大文字焼きが行われる山なだけに、この大量の乾いた笹が大文字焼きの素材となっているのかもしれない。とはいえ防水・防湿対策がまるで施されていない様だったので、定かではないが。
  ここで最後のオニギリに手を出し休憩。15分の休憩の後、最後となる塔ノ峰へと向かった。道標によると95分の距離らしい。

 この辺まで来ると、もはや良く覚えていない。まだ宮城野より上なので、箱根湯本へ向かうとなるとかなり下る筈である。確かに急激に下らせられる事もあれば、それに反して急激に登らされる事もあった。明星ヶ岳山頂から久野林道まで65分とあったが、それはそれは長く退屈な道のりである。
 自動車の音が聞こえ林道が近づいたと思いきや、風の音だったり、かなり肉体的にも精神的にも疲れ果てて蛇足で歩いていた。何やら大勢の人が話す声が聞こえ、15時15分、久野林道へと出れた。
 ここから左へ小田原方面へと向かう事900m。15時27分、塔ノ峰山頂まで15分の登山道入り口が右手にあり、ここで休憩とした。
 10分ほど休み、急な斜面を登り始める。しかしそれは長くは続かず、意外と楽に塔ノ峰山頂に着いた。特に見晴らしは良くない。中継ポイントとなる阿弥陀寺までは30分と短いが、ここで再び10分の休憩を取り、15時55分に出発した。
  あとは下るだけなので、音楽を聴きながら適当に。お陰でどんな道のりだったか覚えていない。気づいた時には緩やかな傾斜だった。
 16時20分に阿弥陀寺に到着。紫陽花が綺麗だったが、早く帰りたかったので先へと進んだ。急な荒れた舗装路を下る事10分、普通の道路へと出た。ここで阿弥陀寺への道などを尋ねられたのだが、下りただけで登ってはいないし、寺自体よく見ていない。紫陽花が綺麗だった事など、とにかく知っている限りの情報だけは与え、丁重に見送った。

 ここから10分ほど道路を下れば箱根湯本駅らしい。ようやくゴールである。気分的にかなり楽になっている。そうして16時40分、箱根湯本駅に到着。金時山山頂から5時間50分の激しい道のりだった。

 当初はかっぱ天国にでも寄って疲れを癒そうと思ったが、箱根湯本駅のホームでアイスココアだけ飲んで、とっとと電車に乗り込んだ。何よりもまずは家に帰りたい。汗のかいていない服に着替え、改めて近所の温泉に行きたいと思ったからだ。
 17時45分には自宅に到着。前日に13kmを走っていたのだが、やはりそれ以上に脚に堪えていた。