2018年12月26日水曜日

スマートフォンの魅力なき進化

デュアルカメラのスマホが増えてきているどころか、トリプルカメラなんて物まで出てきている。
私的にこれら愚の骨頂にしか見えない。無知な素人故に何の説得力もないが、それでも私は好きになれない。
スマホで写真を撮る人は多い。私だってそうだ。単焦点レンズでスナップ写真を楽しむ感覚ならば、スマホのカメラほど便利なものは無い。
スマホの形状上デジタルズームしか出来ないわけだが、デジタルズームによる画質の劣化は致命的である。そこで現れたのがデュアルカメラでありトリプルカメラなのだろうが、そもそも誰がそこまで求めているのか?
背景をボカせるだとか、遠くの物も綺麗に撮れるだとか、それを望むなら一眼を買えば良いではないか。どんなにスマホが頑張ろうが、一眼に勝てる見込みはないのだから、小細工は労せずに退くとこは退くべきである。
私の視点では、カメラの扱いを知らぬ人を騙して稼いでいるかのように見える。とうぜん騙される方も悪いわけだが。特に昨今は写真系SNSを通り過ぎて動画系SNSが流行っている。カメラ機能が向上すれば、より良い動画が撮れると勘違いする者は少なくなく、新たなスマホを購入してしまう。なんとも愚かな話である。

シングルカメラのスマホが消えたわけではないので、気に入らなければそちらを使えば良い事。なのでカメラネタはここまで。肝心なのは、そんな所しか進化できないスマホ業界である。
手に納まるコンピューターとしては十分なスペックに達し、もはや一般ユーザーにスペックアップは必要ないと思われる。それでも最上位機種を買う人が少なくないのは、これまた愚かな話である。Proが使う物は高い、一般用に安い物もある。なのに高い高いと喚く者。身の程を知らないとは恥ずべき事である。

ならばどうする。多くの手に渡ったスマホはどうすべきなのか?そんな事ぁ、私ごときが知るはずはない。
ただ気になるのは、多くのオフィスでラップトップが稼働している事だ。一般的なオフィスワーカーの中に、ハイスペックを必要とする人が何割いる事か。スペック的にはスマホで十分ではないだろうか。下手をすれば、職場で使っているラップトップより手持ちのスマホの方が高スペックかもしれない。
携帯電話の代わりとして企業に食い込んだスマホだが、いっそのことラップトップ市場も乗っ取れる可能性は秘めている。
スマホだけでは仕事にならない事は承知である。だがどうだ。スマホがスマホとしても扱え、スティックPCとしても扱えれば一石二鳥。デスクではマウス、キーボード、モニタと繋げてPCと使え、席を立つ時は電話とファイルの閲覧ぐらいなら支障はない。
もちろんこれに適したOSが必要である。また、管理し易いシステムである必要もある。スマホだからと安易に写真が撮れ、かつ社外へ持ち出されては、守秘義務も何もあったものではない。

カメラ、PC、電話、手帳、地図、様々な物を取り込んできたスマートフォン。それらの性能を上げる事は結構だが、さらに多くの物を取り込む事の方が重要ではないか。そして何よりもシンプルである事である。レンズの出っ張りですら受け入れ難かった私が、デュアルレンズなど受け入れられる筈がない。機能のためにデザインを殺すなど、とんでもない事である。

そうは書いたものの、今年のiPad Proのスペックには驚愕したし、欲しいとも思った。ハイスペックに魅力を感じないわけではないのである。ただ、それより魅力を感じたのはApple Pencilがマグネットで付くという点だ。スペックの向上よりも、こういう使い易さを追求して欲しいものである。

ならばお前がやれば良いじゃない。そう言われてしまえばぐうの音も出ない。私も愚か者の一人である。

2018年12月5日水曜日

「セガvs.任天堂 ゲームの未来を変えた覇権戦争」を読んで

ブレイクJハリス著「セガvs.任天堂 ゲームの未来を変えた覇権戦争」

ようやく読み終えました。

長かった。ホントに長かった。一つ一つの物語が細かくて、しかも突然場面が変わるものだから、掴みにくいところも多々ありました。
もともと映画化を視野に入れて書かれた本作。どうやら1シーズンのTVシリーズ化に落ち着いたようですが、それなら要約されて丁度良いかと思います。

時代はファミコンからプレステの初期まで。トム・カリンスキー氏がSOA(セガ・オブ・アメリカ)のCEOに就任し、メガドラで北米シェア55%を達成するも、セガサターンの時代で辞任するまでを書いた物語。と言っても、SEGAだけではなく任天堂やSCEの物語も書かれています。
任天堂に屈辱を味わわされ、SEGAと共闘しようと思いきや破断。そんなSCEが参入直後に覇権を握る。SONYが嫌いな私でも、この展開は実に楽しめました。SEGAにせよ、SCEにせよ、挑戦者は手段を選ばないものですね。

この物語によると、SOAからすればセガサターンは開発段階から期待できるものではなかったそうです。それは3Dより2Dの機能を特化させてしまったから。任天堂の支配体制、セガサターンの開発しにくさ。それを考えるとプレステの覇権は必然だったのかもしれません。
しかし、日本で2D格ゲーが流行っていたあの頃に、セガサターンの性能は間違いではなかったと思います。エロゲーもありましたし、とにかく充実してました。とは言っても、結果が全てですが。。。
本作の終盤で「NIGHTS into dreams」が酷い評価を受けています。発売前のSOAの評価なので、発売後の評価は書かれていませんが、「NIGHTS into dreams」こそ中裕司の生み出した秀作だろっ!と個人的には思うものの、それだけ北米でのソニックの人気が高いという事ですね。

この物語の先に何が起きてきたか。
NINTENDO64は売れなかったようでいて、実は大ヒット作だらけ。
DreamCastは素晴らしいハードだったにも関わらず、初期生産数を確保できずに大失敗。
PlayStation2はDVD機能で驚異的な成功。
巨人MicroSoftの参入なるも、島国根性万歳。日本の鎖国っぷりが露見。
DSとWii、新しい遊びを追求し続けた任天堂の劇的な大逆転。
そして現在、WiiUで失敗したかと思いきやSwitchで快進撃を続ける任天堂。

そこで働く人たちにはたまったものではないかもしれませんが、傍から見るには面白いほど激しいシェア争いです。これから先も、ゲーム業界は激しく楽しく争いあって欲しいものです。そしていつの日か再びSEGAが...いやないな。
ハイスペック機でSIEとMicroSoftと張り合えないし、娯楽を追求するには任天堂ほどの信念がない。アミューズメント機器を扱うセガ・インタラクティブなら、今までにないコンシューマー機を生み出してくれるかも。体験重視でオプション機器だらけの珍ハード。Wiiがリモコンとボードで済ませたのに、1ゲーム1コントローラーという無駄っぷりを発揮してくれそうで楽しそうです。