2009年10月31日土曜日

箱根とドイツ

 昨晩は飲み会で帰りが遅く、胃もかなりもたれていた。だから今日は家でゴロゴロしているつもりだったが、8時過ぎに起きると外は良い天気。胃の調子も戻っている。明日から天気が崩れると思うと、外に出ずにはいられなかった。
  自転車で小田原駅へ向かい、9時33分の箱根登山鉄道に乗り込んだ。さすが土曜日、そして紅葉シーズン。箱根湯本までだけでなく、強羅までも電車は満員だった。
 強羅に着くと、今度はケーブルカー待ちの行列。とりあえず並んだもののSuicaが使えない事を知り、切符を買いに列を離れた。切符売り場には外国人観光客が一人。元箱根まで行きたいようで、提示された額は5,000円以上。ケーブルカー・ロープウェー・フェリーと乗り継ぐにしても高過ぎる。そして駅員の態度も最悪だ。
 日本人として恥ずかしく、救いの手を差し伸べる事にした。私の行く先は箱根園。徒歩で山を二つ越える事になるが、駒ヶ岳からロープウェーで箱根園に下り、そこから元箱根にバスで行けば高くはない。私は誘ったつもりはないのだが、彼は私の計画に乗ってきた。
 こうして私とドイツ人の箱根旅行が始まった。お互い英語が話せるのが救いである。
  早雲山でロープウェーに乗り換え、大涌谷で下車。ここまでとにかく混んでいたので、着いた頃には12時を過ぎていた。それに加え進んだ道は展望台方面。道を間違えた上に山登りをさせては、元箱根での観光をする時間がないかもしれない。それでは申し訳ないので、ロープウェーで桃源台に降りる事にした。フェリーが高いのなら、タクシー代を出して元箱根に連れて行こうという考えである。これは親切心ではなく、案内を買って出た責任である。
 ロープウェーの中でふと思う。お互い気を使って行動が制限されるのも問題かと。私は地元の様なものなので支障はないのだが、彼はなにせドイツ人である。
フェリーの値段は片道で1,000円もせず、元箱根から箱根湯本駅および小田原駅まではバスが出ていて1,000円未満行ける。その旨を伝え、桃源台で別れる事にした。いや正確には、桃源台で少し散歩をしてフェリーに乗りたくなったら呼んでくれ、と提言したのだ。その結果、ここまでで良いと言う事になり解散に至ったのだ。

 解散したは良いものの、私には目的がなかった。また大涌谷に戻って山に登る時間でもなし、他に目的もなし。なので、そのまま小田原駅へ直行するバスに乗って帰宅した。

 私の取った行動は正しかったのだろうか?そもそも何がベストだったのだろうか?とりあえず、あの駅員の態度だけは間違っている事は確かである。

2009年10月24日土曜日

手軽な矢倉岳

 2009年10月24日、箱根に向かうつもりだったが予定より遅く起きてしまい、引き蘢っていようかと考えた。富士山以来休止中の山登り。このままではシーズンが終わってしまうので、気が進まぬも家を出た。
 曇天のため帰ろうかとも思ったが、天気予報は単なる曇り。新たな目的地である矢倉岳に何を期待しているわけでもないので、雨が降らなければ良しと思い、そのまま自転車を走らせた。
 つい先日も気になっていたのだが、ロードバイクに乗っている割にはペダルが重い。何気に道が登っているからか、もしくは私の脚が弱いのか、そう思っていたが原因はタイヤの空気圧だった。どうする事も出来ずにそのまま走り続け、8時30分関本発地蔵堂行きのバスにギリギリ間に合った。
  8時43分に矢倉沢のバス停に到着。進行方向向かって右手の道を行くと矢倉沢の集落が現れる。一応分岐ごとにハイキングコースへの道標があるので分かり易いと言えば分かり易いが、最初の道標が民家の壁に書いてあるので逆に分かり辛いかもしれない。

  舗装路を延々と歩き続けるとイノシシ除けの格子扉があった。これを潜れば間もなくして舗装路は終わる。9時7分、道は山道へと変わり淡々と登り続けるも、久々の山登りのせいか朝食を食べていないせいか、9時19分には10分ほど休憩を取り、オニギリを一つ頬張った。
 まだまだ紅葉の見どころではないが、山頂に近づくほど葉の色の変わる量が増えてきた。そうこうしていたら9時58分、矢倉岳山頂に着いてしまった。
  南には足柄平野、西には金時山や大涌谷、北には富士山と小山町、流石この辺では一つ突出して目立った山なだけに、見晴らしは良かった。今更ながら澄んだ秋晴れの日に来れば良かったと感じた。
 オニギリを2つ食べ、山頂で適当に撮影開始。山頂には見晴台があり、これに登れば草木に遮られることなく景色を眺められるので、小さいながらも便利である。しかし、一通りの撮影を終え見晴台に登ろうと思ったら、他の年配ハイカーが登ってしまった。まぁ待てば良いだけなので、これは問題ない。しかし奴らは一人また一人と増殖していき、終いには見晴台の上で雑談を始めた。たった一つの見晴台の上で長居をされては他のハイカーが困るのが分からないのだろうか。定年を過ぎたジジババ共に空気を読めと言うのも無理な話なので、奴らのために時間を無駄にするのも嫌だと思い、見晴台を諦め10時25分に下山を開始した。

 向かう先は足柄万葉公園。最初は急な下り坂で実に滑り易く、カメラに気をつけて歩いたものだが、暫くすると平坦な道になった。標高差が少ないだけに、ここからのアップダウンはほとんどない。
  30分もすると矢倉岳が東側に見え、それなりに歩いた事を実感できた。11時08分には万葉広場に到着。手軽さを求めるならば、車を足柄万葉公園に停めて矢倉岳山頂を往復しても良いかと思う。

 いいかげん山道に飽きていたので、舗装路を通って地蔵堂まで下った。かといって特に見どころがあるわけでもないので、音楽を聴きながらプラプラ歩いていた。気づけば12時、地蔵堂のバス停に到着。バスの出発時刻まで25分と中途半端で、夕日の滝を見に行くのは際どいのでiPhoneでゲームをやって時間を潰した。
 すると雨が降ってきた。山だからかと思ったが、関本に着いてもパラついている。しばらくすれば止むかと思い、予定通り1時間ほどプールに寄った。帰る頃には若干雨脚が強まったものの、さらに本屋と古本屋を巡回。幸は機さず、雨は強くなる一方だったが、自転車で帰れないレベルに至らなかったのは幸いか。

 矢倉岳、あの山頂からの景色を見に、もう一度訪れたいものである。

2009年10月18日日曜日

Loud Park'09


 8時10分の電車に乗り、幕張メッセへ行ってきた。いよいよLoud Park'09である。
10時半前には着いたので、最初のBlessed by a Broken Heartは観れると思っていた。入場の行列はそれ程では無かったのだが、ロッカーを探し、クロークに預ける事に気づき、その行列に並んでいたら11時を過ぎてしまった。

 幕張メッセ内部は、ロビーを挟んで左側がUltimate StageとBig Rock Stage。右側がSanctuary Stageとなっている。Ultimate StageとBig Rock Stageに主要バンドが集まっており、この2つのStageで演奏が重なる事はない。それだけに動き易い反面、Sanctuary Stageの存在価値が分からない。私的には訪れる予定のないStageだ。

 途中から観たBlessed by a Broken Heart。国内デビューから1年しか経っていないせいか、盛り上がりに欠ける。それにも負けず、オープニング・アクトの大役に恥じないパフォーマンスを魅せた彼らは、立派なプロである。

 そうこうしている内にUltimate StageではSteel Pantherの姿がチラホラと。こちらの観客はもう意識が移ってしまっている。私もその一人だったりした。
 11時40分にSteel Pantherの演奏開始。80年代ヘアメタルを再現した印象的なMVは、多くの人の心に焼き付いているのだろう。かなりの盛り上がりである。せっかく前列に陣取ってはいたが、観客の汗臭さに負け、後退した。
 そもそも、月曜に痛めた左足を前日に悪化させていたので、1日中立っているのだけでも酷である。汗臭いのも嫌だし、今日は後方から適度に乗っていようと決めた。

 12時25分にOutrageの開始。Vo.はもちろん復活した橋本直樹。1曲目がMegalomaniaだった為、黙っていられず突入。本日初のサークルモッシュ発生である。流石Outrage、選曲も素晴らしく、興奮冷めやらぬステージだった。

 次のFirebirdは見送り休憩を摂って、14時10分から急遽代理出演の決まったLoudnessの開始。OutrageとLoudness、日本の誇る三大バンド(後はUnited)の内2バンドが観れるというのは、なんとも嬉しい限りである。
 Hellriderで始まった彼らのステージに対し、観客の反応は薄かった。多くのミュージシャンに影響を与えた彼らに対し、それは失礼ではないか。そう思って前部へと突入。しかし、古い曲が始まると観客は激しく反応した。そう、観客は彼らを知らないわけではなかったのだ。ならば私は退こう。そもそも、私が好きなのは第三期の曲だけだし。
 それにしても二井原実。彼のMCは実にフレンドリーで、どうにもメタルらしくなく、個人的にはどうかと思う。

 次のDokkenはランチ・タイムとし、いよいよ16時10分から四天王の一組Anthraxの登場。四天王の内3バンドが出演する今回のLoud Park。その凄さに惹かれた反面、正直なところMetallica以外はほとんど聴いていない私である。
 それでも盛り上がれるのが、Anthraxの楽曲の凄さである。とにかく観客が入り易い。S.O.D.で見慣れていたスコット・イアンだが、ギターを弾いているのか疑いたくなるぐらい、よく動いていた。

 そして私の大本命、17時30分からのArch Enemyである。アンジェラ嬢を間近で観ようと前列へ向かうが、周りを見渡すとヘヴィメタ畑というよりジャガイモ畑であった。私も含め、頼りなさそうな坊主頭がゴロゴロいたのだ。集荷されてはたまらないと、場所を移動。その美しき外見が放つガテラル・ヴォイス、それに惹かれるオタク達。そう考えると冷めてしまい、途中で一服しに行った。
 もうここからは守りに入る。興奮したのは"Nemesis"ぐらいで、あとはアンジェラ嬢の魅力にウットリしていただけ。

 18時50分からは四天王の一組Megadethの登場。凄い事だが、限りなく曲を知らない。それは昔から興味が持てなかったから。まぁ四天王を生で観る事に価値があると思ったのだ。
 煙草吸ったり、プラプラしたり。そうして遂にはSanctuary Stageに足を向けてみた。完全にMegadethに客を取られ、かなり過疎化していたPoison The Well。ステージ向かって左側のエリアは普通のノリだったのに対し、客数の少ない右側は無法地帯と化していた。サークルモッシュが頻繁に発生し、もう何でもいいからノッちまえ的な世界である。曲も良いノリだったので、私もそこに紛れてみた。もしかしたら、本日一番体力を使った場面かもしれない。

 Poison The Wellのステージが終わり、クロークへ荷物を取りに行って帰り支度を整えた後、やる事もないのでMegadethを観に行った。そうは言っても、壁際に座り込み、客と客の間からたまに見える巨大スクリーンを観ていた程度である。どちらかと言うと、曲を聴きながら、目の前に立っていた女性の絶対領域に見とれていただけとも言える。
 Arch Enemyの時から気になっていたのが、赤子連れの観客がいた事である。なんとも無茶な事をする親だ。しかも、この騒がしい世界で寝入っている赤子も凄い。

 20時20分、遂にメタル・ゴッドの登場である。とはいえJudas Priestの楽曲で好きなのは限られており、まぁ神を参拝に来た様なものである。壁によりかかって眺めていたのが、終いにはしゃがみこみ、さらには一服して食事を摂った。
 お目当てはRam It DownとPainkiller。やるとしたら最後だろうと思ったので、その経過には興味がなかったのだ。
 終了時刻が差し迫ってきたので、いよいよか、いよいよか、と思っていたら、ステージが終了してしまった。Ram It DownもPainkillerも無し。もしやアンコールで、と思っていたが完全に終了。目的は遂げられず、渋滞を逃れる為に早めに立ち去るのも失敗した。そんな私は、神に対し怒りすら覚えた。あのハゲめ。

 22時10分の電車に乗り、真っ直ぐ帰宅。1時前には自宅に着いた。
Steel Panther
Outrage
Loudness
Anthrax
Arch Enemy
Megadeth
Judas Priest
 一度は観たいと思っていたバンドが、纏めて消化できたのだ。Loud Park、何とも素晴らしいイベントである。