西湘地区の人間にとって、道了尊と言えば初詣の定番である。人が混み合い、延々と階段を登る、時間も夜なだけに、その程度の認識だ。しかし、改めて日中に来てみると、なんとも素晴らしい場所だった。
曹洞宗・最乗寺、その広い敷地は、段差によってさらに味わいが深まる。山の中だけに、木々に溢れているのも魅力的だ。近場にこんなに素晴らしい寺があることを誇りに感じる。
と書いた割には、煙草を吸いながら寺を眺めて、大きな下駄を観に行って、そそくさとハイキング・コースに向かってしまったが、我が家は浄土真宗なので曹洞宗に時間を費やしてはいられない。そもそもだ、仏教の寺なのに、天狗を祀り初詣で賑わうというのは合点がいかない。
最乗寺の旧・大下駄のすぐ横に、明神ヶ岳へのハイキング・コースの入口がある。明神ヶ岳までは2時間。急な天然の山道で始まり、5分もしたら嫌になった。それでも、もう引き返す事は個人的に許されない。
しばらく登ると、緩やかな登りに変わった。最初に明かしておくと、このハイキング・コースは全体的に緩やかである。とはいえ、それを知ったのは頂上に辿り着いてからの話。途中で舗装された道路が見え何故か安心してしまったが、すぐまた山道へと入り、私を苦しめてくれる。
35分ほどで見晴小屋に着いた。その名の通り、見晴らしが良い。ひとまずここで一服し、さらに登ろうと道標を見ると、明神ヶ岳まで90分とある。時間的に遅れている・・・かなり絶望的だ。もう歩きたくない、帰りたい、しかし登るしかない。
山を登る割にはネガティブな心の持ち主だが、見晴小屋から20分ほど登ると、道が開けて緩やかな登りが続いた。後ろを見ると足柄平野。私の良く知る人たち、普段さりげなく顔を合わせている人たちが、あの世界にいるかと思うと、とても楽しくなって来た。登るほどに小さくなる街。もはや人間などいないに等しい。
木々に覆われず青空が見え、花が点々と咲き、蝶が舞う。秋にはススキ、冬は雪。季節を変えて、また登りたい道である。
道中で神明水という水場があった。顔を洗って気分爽快。さらに登る私に、神の御加護がありますように。
神明水の水場から、急な斜面が続く。しかし後ろは足柄平野。「あの世界をさらに高みから見たい」と思って登っていると、苦しむことなく緩やかな道まで登りきれた。
最後の最後に急な斜面が待ち受けるが、それさえ越えれば山頂だ。10時、けっきょく見晴小屋からは休憩らしい休憩をとる事なく、最乗寺から1時間45分で登りきることが出来た。どの辺か忘れたが、神明水から頂上までの間に、もう1ヶ所水場があったのが救いだ。
山頂には何もない。登頂記念のオブジェがあるくらいで、トイレも何もない。しかし、そこからの景観は素晴らしい。富士山が見え、箱根の山と宮城野の街が見え、足柄平野も見える。私は金時山よりも明神ヶ岳の方が気に入った。
カロリーメイトを4本食べ、水分を補給し、煙草を一本。さて下山しようと思ったが、山頂の道標に従うと、宮城野方面の道はどう見ても崖だ。箱根から登ってくる人は、この険しい斜面を登ってくるのか?
思考を変え、来た道を引き返すことにする。登って来た時は気づかなかったが、道が二手に分かれており、一方は最乗寺、もう一方は・・・文字が書かれておらず分からない。方向的に宮城野だろう。そういうわけで、その不明な道を行くことにした。
緩やかな下りが続く帰道。低い木々に覆われ、不思議な気分だ。途中で塚原方面への道標があった。かなり時間をかけて塚原方面へ降りられるらしいが、まぁ挑む事はないだろう。
下り始めてから20分程は良かったが、緩やかな道は最初だけで、急な斜面が続いた。これといった景色も拝めず、箱根方面から登ったら、さぞ面白くなかっただろう。
勢いに任せて下り続けると、あとで脚に響くのは金時山で体感済みだ。途中で岩に腰掛けて一服し、さらに飽き飽きとしながら降り続け、山頂から60分で宮城野の町に出る事が出来た。
とりあえず強羅駅を目指そうと、宮城野の住宅街を下る。随所に道標があるので、とりあえずはバスの停留所を目指した。宮城野の信号に着き左折すると、宮城野橋がある。ここには大きな地図の看板があるので、強羅の方向を確認する。見慣れた景色なだけに、ここから登る事が予想できてしまい愕然とした。
強羅入口から彫刻の森まで1km。ここから1kmも登るのかと思うと、正直嫌になった。舗装された道を歩いても楽しい事はなく、途中でタクシーを拾おうかとも思ったが、それを我慢して登り続ける。半分ほど来たかと思ったが、残り700m。バスで箱根湯本まで降りれば良かった・・・。
かなりネガティブな状態だったが、電車の音が聞こえ、彫刻の森が近い事を悟る。駅で電車の時刻を確認し、箱根・彫刻の森美術館へ。先月に続き、また来てしまった。
彫刻の森とは言えども、トイレは普通である。アートな感じはまるでしない。こうして見ると、私のウンコもなかなかアート的ではないか。
先月来たこともあり、道なりにアートを見る程度で、ウンコの後は足湯に向けてまっしぐら。アートと自然に囲まれながら足湯で疲れを癒す。この為に彫刻の森に来たのだ。
15分ほど足湯に浸かり、ブラブラと歩きながらアートを眺めて退散。滞在時間は45分ほど。ダリのオブジェ(12,600円)を買い、箱根登山鉄道へ乗って小田原へと向かった。彫刻の森で食事を摂りたかったが、飲茶楼は混んでいて、一方はバイキング形式だった為、小田原のファーストキッチンに寄った。
この後は、前回同様やはり英会話。しかし今回は時間的に余裕があったので、ダラダラと自転車を漕いでもレッスン開始10分前には到着した。
山を登る割にはネガティブな心の持ち主だが、見晴小屋から20分ほど登ると、道が開けて緩やかな登りが続いた。後ろを見ると足柄平野。私の良く知る人たち、普段さりげなく顔を合わせている人たちが、あの世界にいるかと思うと、とても楽しくなって来た。登るほどに小さくなる街。もはや人間などいないに等しい。
木々に覆われず青空が見え、花が点々と咲き、蝶が舞う。秋にはススキ、冬は雪。季節を変えて、また登りたい道である。
道中で神明水という水場があった。顔を洗って気分爽快。さらに登る私に、神の御加護がありますように。
神明水の水場から、急な斜面が続く。しかし後ろは足柄平野。「あの世界をさらに高みから見たい」と思って登っていると、苦しむことなく緩やかな道まで登りきれた。
最後の最後に急な斜面が待ち受けるが、それさえ越えれば山頂だ。10時、けっきょく見晴小屋からは休憩らしい休憩をとる事なく、最乗寺から1時間45分で登りきることが出来た。どの辺か忘れたが、神明水から頂上までの間に、もう1ヶ所水場があったのが救いだ。
山頂には何もない。登頂記念のオブジェがあるくらいで、トイレも何もない。しかし、そこからの景観は素晴らしい。富士山が見え、箱根の山と宮城野の街が見え、足柄平野も見える。私は金時山よりも明神ヶ岳の方が気に入った。
カロリーメイトを4本食べ、水分を補給し、煙草を一本。さて下山しようと思ったが、山頂の道標に従うと、宮城野方面の道はどう見ても崖だ。箱根から登ってくる人は、この険しい斜面を登ってくるのか?
思考を変え、来た道を引き返すことにする。登って来た時は気づかなかったが、道が二手に分かれており、一方は最乗寺、もう一方は・・・文字が書かれておらず分からない。方向的に宮城野だろう。そういうわけで、その不明な道を行くことにした。
緩やかな下りが続く帰道。低い木々に覆われ、不思議な気分だ。途中で塚原方面への道標があった。かなり時間をかけて塚原方面へ降りられるらしいが、まぁ挑む事はないだろう。
下り始めてから20分程は良かったが、緩やかな道は最初だけで、急な斜面が続いた。これといった景色も拝めず、箱根方面から登ったら、さぞ面白くなかっただろう。
勢いに任せて下り続けると、あとで脚に響くのは金時山で体感済みだ。途中で岩に腰掛けて一服し、さらに飽き飽きとしながら降り続け、山頂から60分で宮城野の町に出る事が出来た。
とりあえず強羅駅を目指そうと、宮城野の住宅街を下る。随所に道標があるので、とりあえずはバスの停留所を目指した。宮城野の信号に着き左折すると、宮城野橋がある。ここには大きな地図の看板があるので、強羅の方向を確認する。見慣れた景色なだけに、ここから登る事が予想できてしまい愕然とした。
強羅入口から彫刻の森まで1km。ここから1kmも登るのかと思うと、正直嫌になった。舗装された道を歩いても楽しい事はなく、途中でタクシーを拾おうかとも思ったが、それを我慢して登り続ける。半分ほど来たかと思ったが、残り700m。バスで箱根湯本まで降りれば良かった・・・。
かなりネガティブな状態だったが、電車の音が聞こえ、彫刻の森が近い事を悟る。駅で電車の時刻を確認し、箱根・彫刻の森美術館へ。先月に続き、また来てしまった。
彫刻の森へ入ると、私の前を9人組の大学生ほどの若い娘たちが進む。なんと初々しい。彼女らの放つ若さを間接的に感じられただけでも、入場料1,600円の価値があった。
数々のアートよりも、この娘たちを見続けていたいところだが、それよりも何よりも大事な事がある。とりあえずトイレだ。とりあえずウンコだ。彫刻の森へ向けて登り始めて間もなく、便意に襲われてたまらなかったのだ。彫刻の森とは言えども、トイレは普通である。アートな感じはまるでしない。こうして見ると、私のウンコもなかなかアート的ではないか。
先月来たこともあり、道なりにアートを見る程度で、ウンコの後は足湯に向けてまっしぐら。アートと自然に囲まれながら足湯で疲れを癒す。この為に彫刻の森に来たのだ。
15分ほど足湯に浸かり、ブラブラと歩きながらアートを眺めて退散。滞在時間は45分ほど。ダリのオブジェ(12,600円)を買い、箱根登山鉄道へ乗って小田原へと向かった。彫刻の森で食事を摂りたかったが、飲茶楼は混んでいて、一方はバイキング形式だった為、小田原のファーストキッチンに寄った。
この後は、前回同様やはり英会話。しかし今回は時間的に余裕があったので、ダラダラと自転車を漕いでもレッスン開始10分前には到着した。