2007年8月20日月曜日

中国短期留学7~上海

 2009年8月18日。朝6:00、皆で寮を出発。新鄭国際空港までは、1時間ほどで着いた。本来なら、私は大学から別行動をとるはずだったが、寮を追い出される時間は早い、荷物は重い、という理由で、一緒に空港まで運んでもらうことにしました。

 皆の乗る飛行機は8:30発、私の乗る飛行機は12:55発。空港まで同伴してくれた老師および中国人学生3人と共に、私は皆を見送った。皆が見えなくなり、老師たちと共に外へ。「煙草があれば大丈夫」そう伝えて、彼女たちとも別れを告げた。

 本を読んだり、煙草を吸ったり、ブラブラしたり、かなり怪しい人物だ。9時前、お腹が空いてきたので空港のレストランへ行く。入り口に係員が立っているので、言われるがままに案内される。まずは38元/人でチケットを購入。そのチケットと交換に皿を貰い、あとはバイキング形式。料理はどれも中華。やっぱりスープの味は薄い。
 ウェイトレスの対応は、とても良かったです。飲み物を取ろうとしても、スープを取ろうとしても、「お持ちするから座っててください」と。ただ暇だっただけか?
 ゆで卵の殻を剥くのも良い暇つぶしだった。かといって長居しすぎもなんなので、40分ほどで退散。

 空港のトイレは綺麗だ。しかし、大便器は中国式。基本的に尿はOBしている。これは利用する側の問題ですね。洋式便器もあったので一安心。注意書きは無かったけど、一応紙はゴミ箱へ。と、このトイレットペーパー、個室内にはありません。便所の奥の壁に設置されているので、予めそこで必要な分をとって、個室へ行きましょう。

 10:25頃、チェックイン開始。荷物を手放したいので、とっとと済ませた。待合室にも喫煙所があって安心。
 12:55、飛行機は時間通りに飛んで、時間通りに着いた。ホテルまでは面倒くさいからタクシー。しかし、タクシー待ちの長蛇の列が出来ている。まぁ、その分タクシーも多いので、30分ほどで乗れました。日中のせいか、闇タクシーは北京の時より少なく感じた。
 自動車道が張り巡らされている上海。街並といい、首都高を走っている気分だった。上海は都会だ。中国らしくないけど、上海の方が首都っぽい。

 16:00、銀波大酒店(ホテルの名前です)に到着。タクシー料金は57元。予想より遥かに安かった。
 見た感じ、北京の時に比べてランクの落ちるホテル。1泊3,900円(朝食付き)だし、たいした期待はできまいて。
 フロントに行くと、客がなにやら揉めていた。おそらく、予約より部屋数が足らなかったのだろう。中国語なので、全く分からん。明らかに機嫌の悪そうなフロントの女性たち。しかし、私の番になると、キチンと態度を改めた。英語の合間に、さりげなく日本語を使ってくれたりして、とても好印象でした。
 私の部屋は最上階の10階。部屋はシングル。ホテルの案内など、いたるところに日本語も使われている。少し市街地からは離れているけど、お薦めできるホテルです。
  時間がないので早速行動を開始。南に行ったつもりが西を歩いていた私。軌道修正をして、無事に外灘へと出れました。この間、2度も中国人から声をかけられました。
 一度目は若いカップル。とりあえず中国語が話せないと伝えると、英語が話せるか聞いてきました。どうやら銀行へ行きたいらしいのですが、私もまだ着いたばかりで分かる筈がありません。そう伝えたら分かってくれたのか、もしくは「こいつは英語も駄目だ」と諦めたのか、諦めてくれました。
 二度目は家族連れのおじさん。やはり中国語が分からないことを伝え、地図を見せて一緒に考えようとしましたが、時間の無駄と悟ってくれたのか、諦めてくれました。
 手ぶらだったとはいえ、そんなに溶け込んでたのかな?そんなに人が良さそうに見えるのかな?ちなみに、何も盗られたものはありません。

 外灘に出て道路を渡ると、黄浦江の向こうに近代的なビル郡が見えます。これだけでも上海に来た価値はある!道路を渡って黄浦公園へ行くと、外灘観光隧道と東方明珠塔のチケットがセットで売っていました。これは手っ取り早いと思い、隧道片道35元と東方明珠塔70元のチケットを100元で購入。でもこれは先走りすぎ。このチケットでは、263m展望台に登れても、350m展望台には登れません。新たに買う気もしないので断念。

 黄浦江の下を無人車で行き来できる外灘観光隧道。約5分間、数パターンのイルミネーションの中を通る様は、まさにアメージング!同じ無人車に乗った外人さんが「It's amazing!」と感動していたので、間違いありません。
 外灘観光隧道を出て左に行くと東方明珠塔があります。夏休みが影響してか、とにかく混んでいました。

 この辺一帯は、内も外も見事に観光地化され、土産物を買うには困りません。ただ、どの土産物屋も高いです。300元とか普通にあります。もちろん、私は何も買ってません。

 263m展望台から見た景色は、これまたアメージング!北京・開封ではあまりお目にかからなかった青空が、ここ上海では良く見えます。雲との比率も良く、天気に恵まれました。
 350m展望台は行けなくて正解。私の訳が合ってれば、1時間待ちだったと思います。上海は見足りないのが山ほどあるので、またの機会に来れば良し。できれば、一人ではなく、女性と二人で・・・。
 浦東公園から外灘を眺め、地下鉄二号線に乗って陸家嘴駅から南京東路駅に移動。上海の地下鉄は日本と同じ要領で平気です。自販機で切符を買い、それを自動改札にSuicaのようにかざす、改札を出る時は普通の切符のように入れる。路線図も困らない程度にあるので、分かり易いと思います。
“自販機”なにげにこの言葉を書きましたが、これ、私が中国で初めて見た自販機です。飲み物も煙草も、これまで街中で自販機を見かけませんでした。なんて不便な国なんだ!と思いましたが、日本が多すぎるだけかもしれませんね。

 常に歩行者天国の南京東路。見慣れた都会の街並なだけに、(私は)安心できました。買い物するには困らないけど、たぶん物価は高いです。日本で買っても変わらないのではないでしょうか?ガンプラの値段から察するに。
 人民公園まで来たし、日も暮れてきたので、KFCでも寄ってホテルへ帰ろうとしました。これで私の旅も終わり、の筈でしたが、物語はまだ続きます。

 ホテルへ戻ろうと南京東路を歩いていると、2人の女性が話しかけてきました。年配の女性は北京で中国語の先生をやっているという方、もう一方は生徒?娘?よく聞いてませんでしたが、若いです。とりあえず中国語が分からないことを伝えると、英語が分かるか聞いてきたのでYes.今朝9時に上海に着いたが、財布を失くした、もしくはスラれたみたいです。ここは中国、分からない話ではありません。警察に届けたようですが、見つかることもないでしょう。そこで、夕飯を御馳走して欲しいというのです。

 これから別れるまで、警戒線は常に張っています。とりあえず何が食べたいか尋ねたところ、日本人の私に合わせてか吉野家を提案してきました。人民元も余っていることですし、私は了承しました。
 それでも200元は余裕があります。この母と娘(仮)は、これからどうするのでしょう?私が騙されているのなら、被害を最小に抑えれば良いだけのこと、しかし真実ならば、放っておくわけにはいきません。幸い私の泊まっているホテルは安いので、同じホテルで良いなら一泊分の料金を出してあげることを提案しました。
 それに応じたように見えた2人。すると母は、「娘だけでも帰したいから電車代が欲しい」と言ってきたように思えました。いくら出すかは私が決めること。要求されたものは出しません。でもこれは私の勘違い。ホテル代を出してくれるなら、電車代を出してくれってことです。上海に留まっても仕方ないもんね。
 北京までの長い道のり、硬座は可哀想ですが、硬臥や軟臥の料金を出すほど信用もしてません。よって軟座2人分の料金として、追加で400元、計600元を渡すことにしました。

 手持ちが無いのでカードを取りにホテルへ戻りたいことを告げ、3人で歩いてホテルへ。ホテルの近くのATMで金を下ろし、500元を手渡しました。電車以外にもお金は必要ですからね。
 後は別れるだけという時、母が日本円が欲しいと言ってきました。「北京の友達に見せたいから」と言ってましたが、そんなことの為に金をあげるわけないでしょう!こっちだって借金はあるわ、貯金はないわ、職はないわ、な状況なのです。最後の最後で胡散臭さを残して欲しくありませんでした。
 上海駅までタクシーで行かせようとしましたが、人民公園からバスで行くとのことで、歩いて去った2人。終電には間に合わなかったでしょう。

 私は人助けをしたのか?それとも騙されたのか?99.8%、騙されたんだと思います。しかし真実はどうでも良く、上海の夜を人と味わえたことと、人助けをしたかもしれない自己満足、その2つの事実があれば十分です。
 善人のように見えますが、若くて可愛い女性が1人もいなければ、出会った時点で無視してたでしょう。あ、やっぱ俺は騙されたのか?

 2009年8月19日。朝7:00、チェックアウトを済ませホテルを出る。リニアモーターカーは諦めた。南京東路駅まで歩くには、荷物が大きすぎます。
 ホテルの前にタクシーがいたので、それを利用。もちろん料金の見積もりは忘れません。140元〜150元ということで、安心。
 上海浦東国際空港まで、実際にかかったのは149元。45分ぐらいで着いたと思います。

 チェックインが始まったので、とっとと済ますものの、成田と違ってその後の楽しみがない。手荷物検査を済ませ、免税エリアへと行きました。
 朝食を食べていないため、お腹が空きました。ホテルの朝食は7:00スタートだったので、食べ損ねたのです。空港の食事は高い。カツカレーで55元って、何日分の食費だよ!
 手持ちの人民元は40元ちょっと。フライドポテト22元とコーラ18元で、その場は凌ぎました。日本円も使えるし、ATMもあるので、足りなければ調達はできますが、今さら贅沢する気はありません。

 40分ほど遅れて飛行機は出発。私の1時間前の東京行きは出発時間未定となったので、これに比べればマシだろう。
 成田空港から成田エクスプレスで横浜へ、そこからは東海道線で鴨宮へ。日本の暑さはムカつく暑さだった。
 ようやく故郷に帰れた安心感が3割、これからの生活への不安感が7割、19日間の現実逃避は終わりを告げた。

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