2008年11月2日日曜日

伊勢原の大山

 2008年11月2日、朝6時半には起きたものの寒くて動きたくない。空は晴れているが、寒いものは寒い。家でゴロゴロしていたいのが本音だが、なんとか体を動かし、準備を整え、8時前にはバイクに跨がり家を出た。
 休日のこの時間だけに、国道1号の上りは空いていた。下りは箱根を目指す観光客たちだろう。既に流れが遅くなりつつある。大磯で県道63号へと移り北上。長T・薄手のパーカー・Gジャンを着ていたものの既に寒くて、帰りたい気分だった。
 東名高速道路を潜って間もなく、一面が田んぼで景色が開けた。西側には富士山が、そして北側には目指す大山が。綺麗な三角形をしており、そして何よりも大きい。軽い気持ちで出かけただけに、この高さには不安を感じたが、それ以上にテンションが上がってきた。
 県道611号を登っている間に太陽が本格的に照り始め、だいぶ暖かくなってきた。もう引き返す理由はない。後は進むだけだ。
  見事なまでに観光地化された大山。伊勢原市にケーブルカーがある事はおろか、こんな場所がある事すら、今年になるまで知らなかった。既に駐車場待ちの車が並んでおり、時期的なものか人気の高さを伺わせた。
 駐車場から先は一筋の階段が延々と続いており、両サイドには土産店やら飲食店が建ち並ぶ。高知の龍河洞付近と似た様な感じだが、大山の方が濃度は濃い。

 階段を登り続け、大山ケーブル駅に着いたのが8時54分。既に行列が出来ており、9時の便は勿論の事、9時20分の便にも乗れるか怪しい感じだったので、予定外だが阿夫利神社下社まで歩く事にした。
 道は男坂と女坂に分かれており、男坂は鬼畜の様に段差のある階段が激しく続く。しかし私は男である。男なら男坂を選ぶしかあるまい。女坂を選ぶと途中に大山寺があり、ここからケーブルカーに乗る事も出来る。それに比べ男坂では、負け犬にあるのは引き返す事のみ。一度足を踏み入れたら、もう登るしかないわけだ。それにしてもこの大山、神道的な山かと思っていたら、ちゃっかり寺もあるのか。
 女坂と合流すると阿夫利神社下社は目と鼻の先だ。そこには綺麗な階段と社が待っており、食べ物にも困らない。9時半に下社に到着し、ここで一服。男坂でかなりの体力を奪われたのにも関わらず、ここから先が本題というのは厳しいものがある。
  最初に待ち受けるのは急な石段。そこを越えても基本的には階段状の道が延々と続く。人気が高いらしく周りは登山客だらけ。子供連れや年配の方々が多く目につくが、そんな生易しいコースではない。
 9時55分に十二丁目に着いて休憩。目指す山頂は二十八丁目である。十三丁目の辺りで景観が望めた。なかなか素晴らしい景色である。しかし山頂はまだ先だ。これ以上の景色がどんなものなのか、非常に興味がある。
  二十丁目にある富士見台からは、富士山が見える。霞がかった富士山と、雲から頭を付き出す山々。なんとも幻想的ではないか。山頂からは富士山がチラリと見える程度なので、ここでタップリと堪能しておこう。他の登山客の迷惑にならない程度に。
 10時25分、二十三丁目で休憩を取った。時間で見ると大した事ないが、傾斜が急なだけあって、体力はかなり奪われている。鳥居を潜れば山頂はすぐそこだ。10時40分、大山山頂に到着し、驚くべきはその景観。周りの山より高いだけの事はあり、見える範囲も半端ない。塔ノ岳からの景色も凄かったが、まさかそれを越える景色が拝めるとは。
 大山山頂に山小屋はあれど、宿泊施設はない。日の出を狙うならやはり塔ノ岳か、大山なら早朝登山と行ったとこだろう。
  朝食がシリアルだけだった事もあり、かなりお腹は空いていた。山小屋で冷め気味の焼きそば(400円)と豚汁(500円)を購入した。この場所で物を買って食べる事が出来るのだ、何も文句は言えないのだが、私のだけか豚汁に豚肉がまるで入っていないのは少し許し難い。
 山頂には阿夫利神社本社があるが、足を留めて見る程のことはない。人も多い事だし、11時前には下山を開始した。
  下りはまぁいつもながら退屈なので、iPodの登場。見晴台へと続く雷ノ峰尾根も、やはり階段状の登山道だった。
 11時45分には見晴台に到着して一服。悪くない景色だが、山頂からの景色を見た後ではどうでも良い。
  見晴台から阿夫利神社下社までは30分程の距離だ。傾斜はなだらかで、とても歩き易い。大山山頂を目指すなら、見晴台側から登った方が楽かもしれない。
 二重の滝付近で巨大な大木が倒れていた。山に登れば何処でも見れる光景だが、倒れた木々、変なところから生えた木々、とにかく様々で、自然の偉大さを感じる事で自分の小ささを知る。

 12時10分、阿夫利神社下社に到着し、今度こそケーブルカー。あれほど苦労して登った道も、ケーブルカーなら片道5分。12時40分には駐車場に到着し、その頃車で来た方々は、駐車場待ちの大渋滞に遭っていた。

 この日の予定では、ここからさらに相模湖方面へツーリングへ行く事にしていた。時刻的に微妙だが、いざ相模湖へ。季節が季節なだけあって、木陰に入ると寒さを感じるが、快晴の宮ヶ瀬湖を見てしまえば、それも吹き飛ぶ。宮ヶ瀬湖畔園地は大変賑わっていた。そんな中に下品なバイクが多数。暴走族である。八王子から下りてきたのだろうか。見た目もサウンドも、全てにおいて下品である。
 相模湖に向かいながら限界を感じ始めた。手はかじかみ、鼻水は垂れ放題。この辺は道が混むことが多いので、相模湖はチラリと見て、颯爽と津久井湖を目指した。
渋滞に巻き込まれながら三井大橋へと出て、津久井湖を眺める。かなり作業的である。出来れば16時から英会話のレッスンを受けたい為、津久井城跡を諦め、県道65号に乗って厚木へと南下した。
 とにかく寒い。どうしようもなく寒い。愛川町でコンビニに立ち寄り、熱い缶コーヒーで手と体を温め、先に備えた。15時15分には国道246号に出れた。とても微妙ではあるが、ここは諦めるより急ぐ方を選ぼう。東名高速で大井松田まで抜け、国道255号を南下。なんとか16時前には到着し、凍えながら2レッスン受けた。ちなみに、この芯から冷えた状態を、英語では「Cold to Born」と言うらしい。芯か骨かといった違いだけで、根本は同じである。

 自宅に帰って夕食を食べ、この冷えた体をなんとかする為、近所の日帰り温泉へ。混んでいたので湯が程よくヌルく、長湯するには丁度良かった。芯から暖まったところで、そのまま「Red Cliff」を観に行った。山登りも、ツーリングも、温泉も、映画も、何をするにも一人。相手がいないからといって立ち止まるのが嫌いなのだが、それでも一人で行動しすぎな気もした。

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