2009年7月11日土曜日

6度目の富士山登山


 決行日は7月11日(土)。今年は単身という事で御殿場口登山道を考えていた。残雪による山開きの遅延により予定が立てられず、9(木)時点では足和田山へ登るつもりでいたが、10(金)に須走口登山道が開通した事を知り、急遽その晩に登る事を考えた。

 例年との違いはコースだけでなく装備だろう。ザックも服装もアウトドア用を用意したので、軽量化も防寒対策も万全である。
 今年度の目的は”星空を見る”かつ”撮る”こと。一応リモコンと三脚は持って行ったものの、星空に恵まれる事はなく余計な荷物となってしまった。

 前日は寝付くのが遅く、睡眠時間は4時間あったかないか。仕事を20時過ぎに追え、近所のスポーツ用品店へと向かい、ダウンとフリースを購入した。さらに2ℓの水とカップ麺を購入しに行き、家に帰ったのは21時頃。食事を摂り荷物をまとめる。最初はコンロを持って行く予定だったが、山頂の天気は強風との事で、コンロやボンベそしてカップ麺は断念。

 荷物を纏めてバイクの準備をしていたら、出発は22時25分になってしまった。富士宮口の経験から行けば、まだギリギリ山頂での御来光に間に合う時間だ。出発したものの、バイクの調子が悪い。出発して間もなくエンストを起こし、以降まるでセルがかからない。コンビニで停車し様子を見ると、なんて事ない。ただ給油コックの位置が間違っていただけだった。ついでにオニギリ4個を購入し、改めて出発。せめて24時には登り始めたかったので、かなり気が迫っていた。谷峨の辺りから肌寒さを感じた事もあり、23時10分、道の駅”ふじおやま”付近のコンビニでフリースと薄手のジャケット、そして手袋を着用。こんなところでフル装備になって良いものかと思うが、バイクで五合目まで行くのは割と寒いものだ。
 走っていると富士山に無数の灯りが見えた。山小屋や登山者たちの灯りである。こうして見ると馬鹿ばっかりだと思ったが、それを見てテンションの上がる私も同じ馬鹿だ。なんだかんだ言っても、日本は仏教より神道の国なんだと感じた。

 23時50分には五合目の駐車場に着いた。東富士山荘の前で一服し、0時8分に登山開始。舗装された階段を進み古御嶽神社を過ぎれば山道となる。木々の生えた緩やかな坂を延々と歩く。こんな時間でも登っている人はそれなりにいたのだが、私に抜かされている様では山頂での御来光には確実に間に合わない。彼らの目的は何なのだろうか。

 強風を覚悟していたのに反して風は全くなく、Tシャツにフリース一枚でも登っていると暑いもので、せめてフリースの袖だけは捲った。0時55分に本五合目に到着。9(木)の晩に6km走った時に、足がやけに重かったので、まだ疲れが取れていなかったのか、結構疲れていた。
 とりあえずここで擦れ防止のムースを脚に塗り、一服して1時8分には出発した。山開きしたてなだけあり、路肩に雪が残っている場所もあった。木々の無い場所では風が少し強かったが、フリースの袖を下ろす程度で対応できた。幸いにも雨の降る気配はないが、月には雲がかかっており、どんなに登れど星空は期待できない。
 1時33分、本六合目に着いて7分ほど休憩。防風も兼ねて、ここで薄手のジャケットを羽織った。ここから先は風を遮るものがなく、かなり強風に煽られた。2時23分に七合目の太陽館につき一服しようとしたが、ジッポの火が点かない程の強風。火を点けるのに夢中になっていたら、12分の休憩になってしまった。まぁ全体的に急ぎ気味なので、高山病防止のために休憩を長めに取るのは悪い事ではない。但し、休憩を長めに取ると、それだけ登るのが辛くなる。強風による寒さ、脚の疲れ、そして睡眠不足。本来なら山小屋以外で休憩をしないようにしているのだが、2時55分、道端で休憩を取ってしまった。ダウンを羽織り15分ほど寝転がる。

 3時23分、本七合の見晴館に到着。この時刻で本七合。まだ先はかなり長い。そしてこの寒さ、本気で帰る事を考えた。富士山に登る事6回目、始めての断念である。しかし、明るみを帯び始めた空を見ている内に、雲海が姿を現しだした。「この景色をもっと上から見たい」そう思い3時55分に出発。4時11分、八合目は素通りし、4時半に本八合目のトモエ館に着いた。雲に隠れてハッキリしないが、恐らく陽は昇ってしまっている。
 とにかく山頂に着けば良いので、25分の休憩の後、強風に耐えながら登り続けた。但し風を除けば天気が良いのは幸いだ。5時8分、八合五勺で7分の休憩。上を見上げると九合目辺りから渋滞が出来ていた。おそらく頂上でドラクエ9が売っているのだろう。

 5時43分、再び睡魔が襲ってきたので道端で17分の休憩。ここから先は渋滞に巻き込まれながらノンビリ山頂を目指し、6時17分、なんだかんだで登頂する事が出来た。
天気は良けれど相変わらず風は強いので、お鉢を巡る気にはなれなかった。そもそも残雪の影響で巡れないだろうが。
 山小屋に入って風を凌ぎ、一杯600円のお汁粉を頼んだ。小ぶりのお椀一杯で600円。あと200円足せばウドンが食べれる。日常生活では不条理な事も、山の上では幸せの一つに過ぎない。
登るのにかかった時間が6時間9分。富士宮口とは大違いであるが、そもそもスタート地点の高さが違うのだ。これは致し方ないものとしても、体調が万全ならもう少し早く登れただろう。

 7時8分、嫌々ながらも下山を開始。意外と山頂でノンビリしてしまった。この計画ではどうにも影富士の望めないコースではあるが、ここからの景色もそれはそれで絶景である。
富士宮口登山道とは違い下山用の道がある為、実に下り易い。傾斜もそれなりになだらかので、ドンドン下りて行く事が出来る。一応山小屋にも寄れるが、少し登らねばならぬ為、とにかく降りる事に専念するのが良さそうだ。
 7時43分、八合五勺でダウンを脱ぎ、8時14分にはジャケットも脱いだ。8時25分には七合目の太陽館に到着と、登りからは想像の出来ない早さで降りる事が出来る。
 ここで24分の休憩。まだ風は強いが半袖で耐えられない程ではない。陽が射しているので肌を焼きにかかった。
いよいよ砂走りの開始。最初は面白いが、とにかく長いので終いには飽きるうえに疲れる。9時4分、流石に疲れて15分の休憩。しかし後7分も頑張れば砂払五合目だったのは、後から気づいた事だった。

 ここから樹林帯へと入り、五合目の東富士山荘に着いたのが9時50分。この下りの早さは魅力的である。
 オニギリがまだ2つ残っていたので、ここで摂取。荷物を纏めて10時半にバイクに跨がり出発した。
 晴れていてもバイクでは、完全に下山するまでは肌寒かった。日焼けする為に我慢をし、下山してしまえばこちらのもの。12時には地元の体育館に到着し、1時間ほどプールで泳いだ。なんとも不思議な事をやっていると感じるかもしれないが、上半身は特に疲れていないので。

 14時頃に家に着き、とにかく洗濯。4時間ほど睡眠を取り、この記録を書くに到った。

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