2011年1月29日土曜日

相州アルプス縦走

 2011年1月29日、相州アルプスを縦走してきた。相州アルプスとは神奈川県の厚木市荻野にある高取山と愛川町半原にある高取山に挟まれた峰々のことである。かく言う私も、本日登っている最中にその事を知った。本日は半原の高取山から南下し、経ヶ岳で終わるところを華厳山から荻野の高取山へと延長した。

 8時に家を出てバイクで新松田駅へ。新松田駅には西丹沢へ向かおうとする多くの登山者がいた。ホント、年配の方々ってハイキングが好きだよな。人のこと言えないけど。
 本厚木駅でバスを待っている際も、多くの御年配の登山者たち。座れないかと心配したが、大半は別方向のバスに乗って行ったので、目的地まで座る事ができた。ちなみに乗ったバスは、1番乗り場から出ている半原行きの神奈中バスである。

 野外センター前のバス停に着いたのが10時。ここで山登りの準備をしようと思ったが、日陰で寒かったので愛川ふれあいの村方面へと歩き始めた。
 愛川ふれあいの村の脇を通り過ぎて裏手に回ると、仏果山および高取山への道標が現れる。高取山方面へと歩いて行くと左手に道標が現れ、県道514号の下をくぐる。両向トンネルの脇に日当りの良いベンチがあるので、ここで山登りの準備を開始した。
  10時33分にベンチ横の坂を登って出発。間もなくしてゲートがあるのだが、閉めるのに頭を使わされた。次のゲートに至っては完全に扉が無い。鹿避けの意味無しである。
 林道を渡ると日当りが良くなる。チラホラと残雪があり、少し得をした気分だ。10時49分にベンチのある場所に到着。意外と尾根が近くに見える。ここから徐々に傾斜がキツくなってくる。
 11時3分に尾根道に辿り着くと、ベンチのある分岐となっていた。北に行けば馬場・大平に下りてしまうので、南へ向かう。ゲートをくぐると鬱蒼とした林の中に突入。ここを抜けるとかなり傾いたゲートが待っており、高取山山頂まで残り0.3km。意外と雪に覆われているのは嬉しいが、傾斜は厳しい。しかし、この傾斜などこれから後に比べれば並である。
 11時15分に高取山山頂に到着。厚木方面の絶景。巨大な展望台を登れば宮ヶ瀬方面も絶景である。相州アルプスの中で、ここが最も景色の良い場所である。
  11時28分に高取山山頂を出発。仏果山まで1.3km。尾根道を下り続け、11時28分には宮ヶ瀬越に到着。ここから軽いアップダウンを抜けて、最後に急登が待っている。ロープがあるが、それに頼る程ではない。
 急登を登りきって、左が仏果山山頂、右手に行くと経ヶ岳方面へ向かう。11時52分、テーブルの多い仏果山山頂には多くの登山客がいた。大きめの鍋を持ってきて料理している団体さんなど、御年配の方々も実に活動的である。この山頂にも巨大な展望台があるので、訪れた時は是非とも登ろう。
  12時8分に仏果山山頂を出発。半原越まで2.5km。
 いきなり急な下りが待ち受ける。もはやポールは邪魔でしかなく、設置されているロープに頼るしかない。そこを抜けても細い尾根。本当に歩くのかと思わされるほど細い尾根。そんな危険な尾根道を歩いて、12時19分に馬渡分岐に到着。
  12時25分にはベンチのある八州ケ峰に到着。ここで細い尾根道は終わり、ゲートをくぐると桧林の急坂に入る。途中で革籠石山山頂に着くが、山頂というより単なる通り道でしかない。
 12時42分に土山峠分岐を通過。ここまでくれば半原峠まで残り0.9km。横に人の通れる隙間があって意味のないゲートを抜ければ、半原峠はすぐそこだ。
  12時58分。路面が凍って危険な半原峠に到着。ここのポストに「荻野西山登山マップ」というのが入っていたので、少し読んだのだが、この時は興味なし。0.7km先の経ヶ岳を目指した。
 始めと中間に急な登りを控える道のり。ここまでくると結構こたえる。2階目の急登を越えたあたりだったろうか、この山の名の由来ともなった経石がある。
 尾根道にある巨大な岩。ここにこんな物がある事が不思議なのだが、案内板はそこには触れず、淡々と歴史を語る。武田軍に追われる北条軍の落ち武者が何とかこの山に辿り着いたものの、見下ろすと数多くの槍が見えて落胆して力尽きてしまった。しかし槍と思った物はトウモロコシで、以来この地ではトウモロコシを耕作しなくなったとか。今聞くと単なる間抜け話である。
  13時17分に経ヶ岳山頂に到着。南側の景観は開けているが、見えるのは山だけだ。ここにもポストがあり、休憩がてら「荻野西山登山マップ」を読んでみた。
 相模興業の華厳採石場の増設が厚木市によって認可された為、高取山(荻野)から南が大きく削られてしまうと言う。山が削られてしまうのは悲しい事だが、採石も無意味な行いではない筈。文明を取るか自然を取るか、難しい選択だろう。

 13時28分に経ヶ岳山頂を出発。華厳山まで1.0km、高取山まで1.8kmとの事なので、時間も早いし体力も余っていたので、行ってみる事にした。

 華厳山までの道のりは、思いっきり下って思いっきり登る。それだけだ。しかも山道の整備が行き届いておらず、ただ急な山肌を下っている感じ。左側にある鹿避けのフェンスに頼ろうにも有刺鉄線が張ってあり、もはやデスマッチならぬデスハイクである。
 登りきったところで平坦な尾根道となり、13時52分に華厳山山頂に到着。下山道への道標はあるものの、高取山への道標は見当たらなかった。「荻野西山登山マップ」を頼りに山を南下。これまでとは異なり緩やかな傾斜を徐々に下る。
 ボケッと歩いていたら、14時8分に高取山山頂に着いた。山頂と言っても尾根道の途中に看板があるだけで、ベンチも無ければ広くもなっていない。
 ここから問題の採石場が見える。実際に見るとかなりの規模だ。何も知らない人間からすると、低賃金重労働の隔離された世界を想像してしまう。
 高取山山頂からすぐ近くにある発句石移設広場へ行くと、さらに採石場の全景が見える。それだけでなく景観が素晴らしく良い。但し、ここは既に立入禁止区域である。とはいえ現場のかなり上の方なので、折角だから訪れよう。
この発句石も別の場所にあったようで、採石の過程で移設されたらしい。けしからん!と言いたいが、過去に捕われ未来へ進めぬのもどうかと思う。

 14時20分に発句石を出発。華厳山へ向かった時の様に、道だか何だか分からぬ道を、不安ながらも下っていく。2つ目の道標をすぎると、ようやく道に整備された雰囲気を感じ取れる。沢を渡って山道を歩いて行くと、右手に沢が見えた。橋があるかと思いきや、単なる倒木だった。否、それを橋として使っているのかもしれない。バランス感覚が要求されるが、倒木を渡っても、道なりに歩いても、結局辿り着くのは同じ場所。倒木渡りに挑戦するのも良いのではないだろうか。

 14時49分に山道を抜けると、目の前はゴルフコースになっていた。このすぐ近くにあるゲートをくぐっても良かったのだろうか。私は少し山道を歩いて、途中のゲートをくぐり、強引にゴルフコースへと下りた。ゴルフコースと言ってもその脇を通っている市道らしい。ここを歩いていると、右手に道標が見えた。ちゃんと登山道用のゲートが存在したようだ。
 ゴルフコースを抜け、荻野の集落を抜け、国道412号線へ。15時23分、東谷戸入口のバス停に到着し一段落。15時38分の神奈中バスに乗り込んだ。

 本厚木のアウトドアショップ「WILD-1」に寄ろうと妻田のバス停で下車したが、思うに一ヶ手前の中村入口で下車するべきだったかもしれない。
 WILD-1のある通りはバスが走っているらしいが、時刻が分からない。渋滞による不正確さからバス会社が時刻を表示する事を断念したようだ。仕方ないので本厚木駅まで徒歩。閉店2日前の閑散とした楽器屋TAHARAに寄り、17時44発の小田急線に乗り込んだ。

 「相州アルプス縦走」この言葉に惹かれない限りは、高取山(半原)〜経ヶ岳の間で楽しんでいれば充分である。

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