2008年8月15日金曜日

夏の北海道ドライブ その4

 2008年8月13日、 3時半に目が覚めたので、支度をしながら日の出を待ったが、雲っているので期待はできなかった。4時40分、やはり見れなかったが、やるだけやったので悔いは無い。
  北海道を走っていると、虫の特攻やら鳥のフンやらを受けて、たちまち車は汚れてしまう。旅の相棒マーチに感謝の意を表し、洗車をし始めて間もなく、朝立ちが来た。私のではない。雨が降り出したのだ。なんと絶妙なタイミングだろう。15分程で止み、再び洗車を開始。道の駅"さるふつ公園"の写真を撮り、6時に出発した。
  6時半、日本最北端の地"宗谷岬"に到着。残念ながら樺太は見れなかった。平和公園に登っても、やはり樺太は見れず。まぁ雨が降っていないだけ良いだろう。

 早くも睡魔に襲われ、ふと目を閉じると意識が飛ぶ。かなり危険な状態だったので、稚内市街に入ってからセイコーマートで停車。ここで寝るのも悪いので、コーヒーを飲んで煙草を吸って立ち去った。
 稚内駅に立ち寄りつつ、7時45分、野寒布岬に到着。雲の向こうに薄らと山が見える。あれが利尻山だろうか。利尻島か礼文島か分からないが、とにかくいずれかを見たわけだ。

 あきかわ屋2階の海鮮レストラン"シピリケ"で食事を摂った。ウニ・イクラ・ホタテが乗った三色丼。香の物と鉄砲汁が付いて1,800円。ここから先は内陸部に入るので、これが最後の海鮮物となるだろう。
歯を磨き、車の中で寝ながらノシャップ寒流水族館が開くのを待つ。9時になり入場すると、早速ゴマフアザラシとペンギンが待っていた。狭くて浅いプールに13頭のゴマフアザラシ、これで良いのだろうか?中に入ると、見たような・・・いや、食べたような魚が大半を占めていた。通年なのか時期的なものなのか、金魚も展示してあり、趣味と仕事(漁業)の延長でやっているような感じがした。稚内という地の、しかも市営の水族館なだけに、期待しとかなくて良かった。入場料は400円、私は何処でも立ち止まらない質なので、5分程で見終わった。

 9時10分、262km先の神居古潭へ向け南下を開始した。休憩を取ろうにも、最初の道の駅は、化石が売りらしい道の駅"なかがわ" 。10時43分に到着し一休み。神居古潭まで、あと167km。

 昨日ウトロで入れたガソリンも残り1メーターとなったので、音威子府で20リットル補給した。これまでの経験上、これで帯広まで戻れるだろう。
 11時47分、道の駅"びふか"に到着し、美深産の羊乳を飲んだ。400円と値は張るが、まろやかで美味しかった。

 通行料無料の名寄バイパスを通り快適に距離を縮める事が出来たが、士別市内に入るとペースが落ちた。道の駅"もち米の里なよろ"を素通りしてしまった事もあり、そのまま休まず士別剣淵ICから道央道に乗った。最初のPAは20km以上先にある比布大雪PA。散々80km/hで走ってきた割に、高速道路で90〜100km/hを維持するのには、やたらと疲れを感じた。自分でも何処を見ているか分からない、かといって休むこともできない。危険を感じながらも何も出来ないまま、13時20分、なんとか比布大雪PAに着いた。
  比布大雪PAには展望台があり、実に綺麗にデザインされている。ストーンサークルの様なモニュメントに近づくと、空のペットボトルが置いてあった。しかも吸殻が2つも落ちている。同じ喫煙者として恥ずかしい事である。これだから喫煙者は嫌われるのだ。もちろん、これらは回収して捨てた。

 20分ほど休んで出発したが、やはり視点は定まらない。これは私が疲れているからではない。景色が開けすぎているのだ。両サイドは開け、前には遥か先の山。目的とする物が無いから運転しづらいのだ。たまにサイドに木々があると、いつも通りスピードを出しやすい。一般道よりスピードを出しにくい高速道路というのも、どうしたものか。
 無事に道央道を降り、神居古潭へと向かう。さすが旭川市なだけあって、嫌な感じに渋滞している。
  14時12分、神居古潭に到着。何も無い所だと思っていたが、かなり素敵な場所だった。石狩川を跨ぐ白い橋、そして神居古潭の駅とSL。もっとオカルト的な場所かと思っていたが、そうでも無かった。ハイキングコースがあり、30分ほど歩けばストーンサークルがあるらしい。時逆と時順の待っている洞窟は何処だろう。是非とも登りたいところだが、半ズボンと壊れたサンダルなうえ時間的にも余裕が無いので諦めた。

 本格的な渋滞に苛立ちを覚えながらも、15時17分、旭山動物園に到着。今回の旅行に都会的なものは求めていないので、渋滞とか受け入れられない。それに加え、園内の混雑。人、人、人、お盆休みだから仕方ないが、とにかく人だらけ。人気のペンギン・アザラシ・ホッキョクグマなど、とても見れる状況ではない。
 男の一人旅に似つかわしくない状況ゆえに、園内を一周する気も起きず、30分も経たないうちに退散。けっきょく私が見たのは、ヒトとサル、サル目の生き物だけである。
  とにかく旭川という町から抜け出したく、美瑛へと急いだ。道の駅"びえい「丘のくら」"を目指す道中、美しい花畑が目についた。ぜるぶの丘である。少し立ち寄り花を堪能。バギーを運転して花畑を周れるらしいが、それほど長い距離でもなかったので、これは断念。こんな美しい場所があるのだ、美瑛という町は花と緑に囲まれ、のんびりできる場所なのだろう。そう思っていたが、何処にでもある地方の町だった。
 16時45分、新栄の丘に到着。これまでに比べると、感激するほどの景色は待っていなかった。かなり早く予定を消化してしまっている為、美瑛か富良野で宿を取って自然を満喫しようと思っていたが、まず美瑛は消えた。計画の修正をしようとiPhoneを使おうとするが、新栄の丘は圏外。国道へ出て、想い出のふらのという場所があったので、そこの駐車場で宿を探した。
「北の国から」で有名な富良野だが、私は「北の国から」を一度も見たことがないので興味が無い。ネット回線があって手頃な値段の宿を探したが、見つからない。どうでも良くなり、予定を一日早めて帰る事にした。JALに電話し、マツダレンタカーに電話し、帯広に宿を取る。計画の修正が終わったところで気づいたのが、帯広まで140km以上あることだった。

 もはや富良野という土地はどうでも良かったが、とりあえず富良野駅の写真だけ撮った。暗くなる前に先へ進みたい。道の駅"南ふらの"にも立ち寄らず、休まず走り続ける。70km/h以下で走る車に悩まされることもあったが、追い越せる時は容赦なく追い越し、南富良野を過ぎた辺りから良い流れに乗ることが出来た。何台もの車が80km/h前後を維持し続ける素敵な状態。しかし、彼らは霧の中もその状態を維持し続けた。霧の中なだけに前の車を見失いたくはなかったが、前後の車を意識しながらスピードを維持し続けるのは辛く、遂には登坂車線へと回避した。
 途中で休もうとも思ったが、距離が近づくにつれ、もう一息と思ってしまう。霧が晴れた後は結局80km/h前後で走り続けた。
 残り18kmというところで、山の向こうの空が焼けて見える。帯広の灯りだ。市内に入り、ようやくセイコーマートで停車。壊れたサンダルとは、ここでおさらばだ。

 20時半、帯広東急インに到着。今日だけで500km以上走っているのだ、疲労感よりも平衡感覚がおかしいのを強く感じた。豚丼と生ハムのサラダをを食べ、のんびり湯船に浸かった。なんとか日記を書くのを進めようとしたが、流石に疲れ果てて寝てしまった。

 この日の走行距離は556km。累計で1,838kmである。

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