2008年4月30日水曜日

二度目の高知は飛行機で その2

 タマを打つのが野球屋ならば あのコのハートがなぜうてぬ
 今日は奴との対決だ。モリ師の丹次と同様に、私も死んで生きようではないか。サムライ番場蛮の宿敵"鯨"、私も遂にそいつと対峙出来るのだ。
 船に乗るからには、やはり体調は万全ではならない。しかし寝たのは0時。起きたのは2時過ぎ。最悪である。それまでにも何度か目を覚ましていた。どうにか時間を潰し支度も全て終えて6時を過ぎた頃、ようやく眠くなってきた。それでは全くもって駄目である。
  集合時間は7時50分。南はりまや発7時10分のバスに乗らなければならない為、6時50分にはチェックアウトを済ませた。
 ホテルからバス停までは、歩いて10分かからない。バスを待ちつつ一服しようとしたが、灰皿が無いので断念。
 この時間、既に何本もバスは走っている。バスというのは時間に曖昧なものなので、他のバスに惑わされずに、間違いなく桂浜行きに乗らなければならない。

 桂浜。地名に聞き覚えは無いが、たぶん前回来たと思う。街中を見る分には思い出せないが、海岸線を見て私の記憶は過去と直結した。桂浜のバス停に着くと、そこは以前見た光景だった。疲れ果てた私は、この海岸で寝そべり休んだのだった。その周りに何があるかなど一切知らず、ただ寝そべっただけ。「砂浜なら気軽に寝て休める」そう思い"浜"の着く地名に向かって足を進めただけにすぎなかった。

 今回私がお世話になるのは、ホエールウォッチングin桂浜。桂浜のバス停から徒歩10分ほどの場所にある。時間ギリギリに到着し、他の乗客は既に来ていた。私を含め14名。独り身なのは私だけだった。かなり寂しい・・・。
 8時頃、船は出港し、太平洋を進む。クジラを目指して沖へと進む。前日の朝便ではクジラもイルカも見れたらしいが、昼便は収穫無しだったらしい。5,500円も払ってその結果とは、可愛そうな奴らよ。

 見渡せば、そこにあるのは海と空。聞こえるのはエンジン音と水しぶきの音だけ。なんとも退屈だ。出航から60分程しても、まだ何も見えない。たまに鳥が飛んでるぐらいだ。それから30分程して、鳥の群れが見えた。鳥がいるところに魚がいる。魚がいるところにクジラがいる。しかし船は突き進む。どうやらここにはいなかったらしい。ようやく違った光景が見れて楽しかったのに・・・。
 行けども行けどもクジラは見えない。探せど探せどイルカも見えない。出航から3時間程して、再び陸地が視界に入った。
 ここは水族館ではないのだ。この広い大海原でクジラとイルカを見ようなど、全ては運次第である。今日の参加者には、その運が無かったわけだ。残念だが、そろそろ陸も恋しいので良いだろう。
 そう思ったが、船は港に戻らず再びクジラを探しに出た。彼らなりにクジラを見せてあげたいのだろう。確かにこのままではインチキと言われかねない。
 とはいえ、これまで潮風を浴び続け、肉体はかなり冷えている。そして、この景色にも飽き飽きだ。遠方に陸地が見える辺りで、船はクジラを探し続ける。陸の恋しい私には拷問である。そして、船内禁煙なのも拷問である。
 13時、船は遂に諦めた。気持ちは嬉しいが、11時の時点で切り上げて欲しかったのは、私個人の欲求だ。しかし、他の乗客も見る限り飽きていたと思う。
 従業員も申し訳ない気分だろう。だが仕方のないことだ。クジラとイルカが、我々に対し約束したわけではないのだから。少なくとも、水面のうねる様はさながら一つ生き物の様で(最初の内は)楽しかったし、それによる錯覚で何かを見た気分にもなれた。
 最後にジュース一本と団扇とトートバッグをくれたが、私はジュース以外を断った。機嫌が悪かったわけではない。荷物の少なさが、私の旅の重要な点だからである。
 ちなみに、見れる筈だったのはニタリクジラとマイルカらしい。

 時間があるので桂浜を堪能しようと思った。まずは坂本龍馬像を見て、そこから浜へと降りる。そこから見えるのは龍王岬。それ以上に気になるのが、海岸に群がる女学生たち。何の行事で来ているのか知らないが、地元の学生たちらしい。男の一人旅には、これはこれで刺激的だ。少しでも冷静を装わなければならない。
高知の海は綺麗である。砂浜からでは分からないが、龍王岬から見下ろすと、その綺麗さが良く分かる。
 海岸には桂浜水族館がある。入場料は1,100円。規模は小さい。つい先程まで大海に出ていて、この連休中にしながわ水族館と海遊館に行く身としては、寄る必要はないだろう。
 坂本龍馬記念館もパス。土佐闘犬センターの入場料が1,500円と、敷地の広さに対して割高に感じたのでパス。バスの時間まで間があるので、食事を摂る事にした。食べたのは卵ぶっかけうどん(冷)とかつおごはん。観光地ですから、雰囲気だけ味わえれば良しかと。日本一食べ物の美味しいという高知で、まるで食を堪能しない私は、愚かとしか言いようがない。

 バスで南はりまやまで戻る。ちなみに料金は560円。着いた頃には15時。はりまやのバス停付近で空港までの乗車券(700円)を購入し、バスの時刻を確認する。とその時、空港行きのバスが来たので乗ってしまった。時間的に早いが、特に行くとこもないし良いだろう。
 空港でレストランに入る。煙草を吸いながらPCをいじりたいからだ。禁煙席のすぐ隣の喫煙席に案内されたが、あまり意味が無い気がしたので、少し離れた席にしてもらった。私は礼儀正しい喫煙者なのである。

 飛行機の中でPCを開き、FileMakerで作業を開始。なんともビジネスマンっぽいではないか。しかし、これが本当に仕事だったら、かなり嫌なものであろう。

 予定通り飛行機は羽田に到着。東京モノレールで浜松町へ行き、山手線で秋葉原へ。モノレール&山手線をまとめて500円というのは手間が省けて良い。

 秋葉原についたものの、特に用事はない。とりあえず洋ゲーの仕入れ具合を見て、Mac見て、CoCo壱番屋でカレーを食べて宿へ行く。宿泊先は昭和通り沿いにある"カプセルイン秋葉原"。
 料金は3,500円。ネットで申し込んだせいか通常より500円安い。1階フロントで支払いと共にロッカー・キーを受け取り、2階のロッカーに荷物を置いて、同階で風呂に入る。風呂もトイレも共同なせいか、決して綺麗ではない。最低限のレベルを維持している程度だ。風呂は共同にしては狭いので、混雑時はどうなるのだろう?
 このホテルを選んだ理由は3つ。秋葉原は以前働いていた場所なので安心できるのと、カプセルは未体験だったからと、何よりも通信環境が整っているから。無線も有線も万全である。

 こうして2日目が終わりを告げる。5時間も慣れない船の上にいたせいか、揺れている感じが残っている。この揺れは翌日の午後まで続いていた。

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