2008年10月12日日曜日

鴨川までの日帰り房総

 2008年10月12日、自ら4時にセットしたアラームに起こされたものの、この時期になると少し寒いので起きたくない。「今日は家でゴロゴロしていたい」と思いはしたが、そうすると三連休を何もしないで終えてしまう。気が進まぬまま支度をし、朝食を摂って、5時20分には家を発った。
  まだ薄暗い中、西湘バイパスから国道134号へと走り抜けた。当然ながら前を見ていると、朝日が私を出迎えてくれた。そうか、私は今、太陽に向かって走っているのだ。そう思うとテンションが上がってきた。
 国道134号から鶴岡八幡宮方面へ入り、朝比奈ICから横浜横須賀道路に乗って、そのまま首都高湾岸線へ。天気は快晴で気持ちが良いものの、海岸沿いなだけあって風が強く、高速道路から吹き落とされるのではないかとビビり、チキンな走りを見せていた。それだけに横浜ベイブリッジなど死ぬ思いである。周りの景色を楽しむ余裕など無い。風に負けて海に落ちないよう必死にバランスを維持するだけだ。
 湾岸線でこの調子なので、東京湾アクアラインなど死にに行くようなものである。「横浜まで来たし、もう帰るか」とも思ったが、勢いで進んでしまった。
 初めて走る東京湾アクアラインは、延々と続くトンネルだった。これなら恐いものなどない。しかし、このトンネルが終わったらどうしよう・・・。そんなチキンな私の不安とは裏腹に、トンネルは海ほたるまで続いていた。
  7時7分、海ほたるに到着。お腹が冷えたのか、自宅で排便したはずなのに、また排便したくなった。缶コーヒーを飲み、煙草を吸い、海ほたるからの景色を堪能した。こんな所まで道を作ってしまう人類とは、何とも凄いものである。

 7時45分に海ほたるを発った。木更津まで伸びる東京湾アクアブリッジに恐怖したが、風は心地よい程度で済んだ。君津ICで降り、県道92号をひた走る。なんとも長閑な風景だ。房総スカイラインは緑に囲まれ、三枚着ていても少し寒かった。早くも尿意を覚えて辛くなってきた頃、道の駅”ふれあいパークきみつ”に到着した。8時33分、放尿を済ませ一服をし、早々に出発。君津ICを降りてからというもの道路はかなりガラガラだっただけに、かなり良いペースで進み、9時3分、鴨川シーワールドに到着。
  開園が9時だというのに、既に多くの人が入場していた。ただでさえノンビリ見ないのに、こうも混んでいては余計見る気が無くなる。そんな私の脚を止めたのが亀であり、蟹であり、マンボウであった。外から見た感じでは、どうって事ない水族館の様な気がしたし、魅せ方も昨今の水族館に比べれば若干劣る。しかしそれを補ってくれる程のマンボウであり、そして巨大なベルーガである。
 9時半からベルーガの紹介、10時からイルカのショー、10時半からシャチのショーと、異なった場所で行われる。時間的には良いのだが、人の流れ的にはかなり厳しいものがある。ベルーガは数分程で退席し、イルカのショーまでの間に熱帯魚系とペリカンの散歩を堪能した。
 名古屋の巨大プールを見てしまうと、プールのサイズ的に他の水族館には期待できなくなってしまう。しかし、それを補うほど素晴らしかったイルカ達の演技。シャチも見事に慣らしているのには驚いた。シャチが人を背中に乗せるほど気を許すなんて、ブラックジャックでもいるのか?
 素晴らしいショーではあったが、とにかく混んでいた。ベルーガ、イルカと人はどんどん集約されていき、シャチのショーにもなると酷い混雑だったので、シャチがジャンプ以上の事をするとも思えず、10時50分には鴨川シーワールドを後にした。
 ちなみに、私が帰る事には入場券売り場に長い行列が出来ていた。まぁシャチが見れる所は少ない上に、あれだけのショーだ。人気があるのは頷ける。

 長狭街道を走っていると、やたらとサイクリスト達が目についた。ゼッケンは付けているものの、ユニフォームが統一されていないので、勝ち負けを競う程のものではないのだろう。それにしても凄い量だった。一つの集団が切れたと思いきや、次の、そのまた次の、と集団が続々と走っている。サイクリストがこんなにいる事実、そして、それだけの参加者がいるにも関わらず、狭い長狭街道を普通に車が走っている事。こちらとしても長狭街道を封じられては困るのだが、サイクリスト達にはかなり危険である。ドライバーからすれば、かなり邪魔である。私としては、日本人がツールの常連として出場する日を待ち望んでいるので、彼らを応援したい。ちなみに、それだけの人が参加していれば、一人はママチャリがいても良いのではと思ったが、残念ながら見当たらなかった。但し、サイクリストらしくない体型の参加者はおりましたが・・・。

 多々山肌が抜き出しになっている鋸山に魅力を感じたが、金谷漁港へ真っ直ぐ向かった。11時45分に到着したものの、丁度フェリーが出た時刻だったので、12時30分の便に乗る事になった。久里浜までなので距離は短い。しかし、バイクを積んでも込み込み1,640円とは、フェリーの印象からすると安い気がした。
  金谷から久里浜まで35分。今日のコースからすると、東京湾フェリーで往復した方が安くて早くて楽だったと思えるが、出来るだけ同じコースを走らない事に意義があるので、これは今後の参考として覚えておこう。
 フェリーからの景色を楽しむつもりでいたが、久里浜までの短い距離で違った風景を味わえる筈はなく、ヨダレを垂らして眠ってしまった。

 久里浜からの道のりは混んでいた。さすが湘南である。下品なバイクのマフラー音もしばしば聞こえた。さすが湘南である。
 13時58分に城ヶ島灯台付近に着いたが、そもそも私は何をしに来たのだろうか?「海鮮丼が食べたかった」という理由はあったが、思い返すと他には無い。むしろ鴨川や金谷で海の幸を食べても良かったのではないのだろうか?
 ともあれ城ヶ島灯台。観光客は多かった。暴走族もいた。いつ見ても恥ずかしい単車であり、私服もセンスが無い。
  何気に朝食から何も食べていないので、梶ノ亭で三食丼を食べた。イクラとマグロとウニが乗って1,600円(味噌汁など付)と贅沢ではあるが、前日に焼鳥屋で4,000円支払っている事を考えれば安いものである。味については触れずにおこう。ある程度美味しいと、私の舌ではそれ以上判別ができないからだ。不味いものを出されれば「不味い」と判別出来るのだが。
  お腹も膨れた事で、京急油壺マリンパークに向かった。本日二度目の水族館は、城ヶ島から遠くない。
 空に雲がかかってきたせいもあり、鴨川シーワールドと比べると少し寂しげな気がした。特に迫力のある生き物はなく、唯一楽しみにしていたイワトビペンギンの周りには人が群がっていたのでパス。15時30分からイルカとアシカのショーがあるとの事で、早々に席を取りに向かった。
 室内に設けられたプールには、様々な小道具が置かれていた。稚拙な演劇を見せられるようで、昭和の臭いがプンプンした。開始時刻が近づくにつれ観客が集まり、遂には満席。ストーリーを織り交ぜたショーは、全く期待していなかった事もあり、かなり楽しめた。本当にスタッフには申し訳ない。”稚拙”と書いた小道具類も実に活きており、素晴らしい完成度である。感想を挙げていたらキリがないので簡潔に纏めると、そこには歴史と努力を感じる、他の水族館では味わえない油壺だけの魅力が詰まっていた。小生、実に感服したが、人混みに飲まれるのが嫌なので、一足早く退出してイワトビペンギンを見て、16時5分には発ってしまった。
 問題なのはここからである。折角暗くなる前に帰ろうと早めに発ったのに、延々と続く渋滞に飲み込まれてしまった。道は狭いがなんとか追い越し続け、羅将ハンの如く答えるならば、「100台から先は覚えていない」ほど追い越していった。逗子市街に着いたのが1時間後。なんとか18時迄には帰宅したかったのだが、国道134号から外れてしまい絶望的。自分の位置を掴む事より、追い越す事を優先し、鎌倉駅付近でようやく自分の位置を取り戻した。かなりイライラしながら煙草を銜えた。何よりも追い越す事を優先したいので火は付けなかったが、これだけでも少し落ち着けるのは新しい発見だった。随所随所で道は空くものの、藤沢なり茅ヶ崎なり近づくと再び混み出す。17時56分、相模川を越える前に陽は完全に沈んでしまった。
何を急いでいるかと言うと、父が家に帰ってくる前に帰宅したかったのである。父が先に帰れば、スクーターと車を車庫から出した上で、バイクをしまう事になる。何度か父に電話をしたものの、応答は無かった。しかしそれも、この時刻では諦める他ない。花水川を渡ったところで休憩し、一か八か西湘バイパスを使って一気に国府津まで走り抜けた。

 18時45分、帰宅すると車は外に出ていた。電話は繋がらなくとも、想いは通じていたのかと感激したが、父は着信すら気づいておらず、単に私が今日中に帰ってくる事を知ったから車を出していただけだった。まぁ結果としては同じ事なので、これはこれで有り難い気遣いだ。

 本日の教訓は「湘南なんてクソ」だ。湘南ナンバーが言うのも何ですが・・・。

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